- 自閉症スペクトラムの子どもたちの睡眠に関する問題は、どのように変化する可能性があるのか?
- メラトニンを使用した治療は、どの程度効果的であり、他の治療法と比較してどのような特徴があるのか?
- ニュージーランドでの自閉症スペクトラムの子どもを対象としたメラトニンの利用状況についての調査結果は、どのような傾向が見られるのか?
研究を行ったローリー・マクレイ准教授は、体内の自然な睡眠ホルモンを模倣したこの治療法は、自閉症スペクトラムの子どもがいる家族に大きな変化をもたらしていると述べています。
「睡眠の問題は、自閉症スペクトラムの子どもたちにとって非常に一般的な問題であり、50パーセントから80パーセントの子どもたちが影響を受けていることがわかっています。
睡眠問題には、生物学的、環境的、行動的、心理的な要因が複合的に関与しています。
生物学的には、自閉症スペクトラムの子どもたちはメラトニンが生成されるタイミングと量が通常発達の子どもたちとは異なる可能性があります。
睡眠不足は、自閉症の子どもたちとその家族に大きな影響を与えます。
良質な睡眠をとれるようにサポートする方法を理解することが重要であると考えています」
メラトニンは重大な副作用が知られていないため、親にとって魅力的な選択肢となっています。
他の多くの治療法と比較して効果的で、投与も簡単です。
「効果的な代替手段として行動的介入がありますが、これには親の多大な努力と時間が必要です。
専門家のサポートが常に得られるわけでもありません」
睡眠問題に対する行動的介入の専門家であり博士であるマクレイ准教授は、米カリフォルニア大学で講師兼研究者としても活躍しています。
今回の研究でマクレイ准教授らの研究チームは、メラトニンがニュージーランドでどの程度利用されているのかについて調査を行いました。
研究チームは、ニュージーランドの18歳までの自閉症スペクトラムの子ども11202人のデータについて分析しました。
自閉症スペクトラムの子どもの睡眠問題に対してのメラトニンの有効性はよく知られていますが、ニュージーランドでのメラトニンの利用率や利用方法はよくわかっていませんでした。
“Sleep Medicine”誌に掲載された本研究では、メラトニンの利用は「女性」「学齢期の子ども」、ヨーロッパ系民族の人で高いことがわかりました。
また、ADHDを併発している人の割合も高くなっていました。
マクレイ准教授は、子どもの睡眠を改善することで得られる副次的な効果を調べた2つ目の研究を今年後半に発表する予定です。
さらに、自閉症スペクトラムの子どもたちの睡眠を改善するために、メラトニンを行動的介入とあわせて、どのように使用できるかを探る研究も予定しています。
(出典:ニュージーランド・カンタベリー大学)(画像:Pixabay)
日本でも昨年、メラトニンが薬として承認されました。
うちの子には数年前から輸入しメラトニンを飲ませています。
小さな頃から、ずっと眠らないことがよくありました。眠らないのが当たり前でした。
それが、飲ませるようにしてからは、朝までよく眠ってくれます。
私も家族も眠れます。
日中の意識もはっきりし、笑顔も多くなった気がします。
それでも、飲ませることはやはり心配で、自分でもときどき使ってみています。
私自身、これまでに問題を感じたことはありせん。
(チャーリー)