- 自閉症や他の発達障害について自己診断をするのは難しいのか?
- 発達障害や自閉症の診断を受けることで得られる安心感や助けは何か?
- 発達障害や自閉症を抱える人が周囲に求めるべきサポートや理解とは何か?
「私は自閉症でした。ずっと知りませんでした」
そう、ルーベン・ブロック博士は言います。
現役の臨床心理学者であり、カリフォルニア大学の教授であり、夫であり、3児の父でもあるブロック博士はコロナ禍でのストレスをきっかけに自閉症と診断されました。
「新型コロナ感染拡大の影響で、身近な人間関係がぎくしゃくしてきました。
そして、すべての人間関係も同じようにぎくしゃくしてきたことに気づきました。
私は限界になると、大人として普通ではない反応をするようになってしまいます。
何度かそういったことがあったので、これは変だと思いました。
他の人が間違っていて、自分だけが正しいということはあり得ないと思ったのです。
つまり、私の何かが間違っているのではないかと思ったのです。
もし、これが私の患者だったら。
ちょっと待ってください、私はこれを自閉症と呼ぶでしょう」
自己診断ができるだけのスキルをもっていましたが、ブロック博士は自閉症の専門家を探し検査を受けて、自分が自閉症であるという診断を確定しました。
「正直に言うと、その報告書を読んで泣いてしまいました。
私の過去45年間の人生が、私が思っていたものとは少し違っていたということを知って、とてもショックだったからです。
つまり、私はずっと自閉症だったのに、それに気づかなかったんです」
ブロック博士は自分が自閉症であることに気づくまでの道のりを動画にまとめ、「Discovering Autism」というタイトルでYouTubeで公開しました。
ブロック博士は、自閉症スペクトラム障害に対する「汚名」を取り除く手助けをしたいと考えています。
「自閉症のことをよく知って、違った見方をしてほしいのです。
最も重要なことは、自閉症の人たちに愛と思いやりを持ってもらうことです。
自閉症と診断を受けることで、私は安心感を得ることができました。
なぜ、私の人生には決まった問題が起こるのか、その理由が理解できたからです。
診断を受けることで、すべてが理解できるようになりました」
ブロック博士は、高機能で自閉症スペクトラムでは「中程度」の症状と考えられています。
自分が何を抱えているかを知ることで、自分の中で反応が起こり始めたときにそれを認識し、どう対処すればよいかを知ることができました。
彼は18分ほどのこの動画が、同じような問題を抱えている人たちに届くことを期待しています。
「もし、自分の反応が他の人が期待するものとは全く違うことに気付き始めたら、それは何が起こっているのだろうかと考え始める時です」
もし、あなたが腕を骨折したら医者に行くでしょう。
同じように、自閉症に対処するにも対応が必要だとブロック博士は言います。
「自閉症も同じです。
精神的、感情的、神経学的に何かが起こっているのです。
それが自分を苦しめていることを理解し、助けを求めてください。
私たちには、多くの助けがあり、多くの答えがあります。
多くの人が心の中にかかえ込まなければならないと感じているようなことでも、
実際には抱え込む必要はありません」
ブロック博士は、自分が自閉症だと知ったことは、人生のあらゆる場面に影響を与え、特に人間関係を改善することに役立ったと言います。
(出典:米CBS Pittsburgh)(画像:YouTube)