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「左利き」と知的障害、失読症、学習障害などとの関係の研究

time 2021/03/13

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

「左利き」と知的障害、失読症、学習障害などとの関係の研究
  • 左利きとIQの関連性について、研究結果は一貫しているのか?
  • 左利きと右利き、どちらが認知テストの成績が良いとされることが多い?
  • 左利きの人は知的障害をかかえる可能性が高いのか、それとも知的才能があるのか?

「左利きの人は右利きの人よりも頭がいい」という考え方が古くからあります。
左利きとIQの高さに関連性があるとする研究がある一方で、右利きの方が実際には有利であるとする研究もあります。

ここでは、左利きとIQについての研究結果をご紹介します。
左利きの人は、「レフティ」や「サウスポー」と呼ばれ、人口の約10%を占めています。
有名な左利きの人には、次のような偉人がいます。

  • 哲学者のアリストテレス
  • フランスの皇帝ナポレオン・ボナパルト
  • 伝説の野球選手ベーブ・ルース
  • ルネッサンス期の芸術家レオナルド・ダヴィンチ
  • バラク・オバマ元大統領
  • マイクロソフト創業者 ビル・ゲイツ

歴史的に見ても、左利きの人は「例外」として扱われてきました。
中世では、左利きの人は魔女の疑いをかけられることを恐れる必要さえありました。
20世紀初頭まで、アメリカの多くの教育現場でも右利きになるための「再教育」を強要していました。
科学者たちは、左利きは幼少期の脳の損傷によるものだと考えていました。

これらの俗説はこれまでに否定されています。
一方で、左利きの人は実際に、高い知能を持っていると主張する人もいます。
この主張は興味をもつものですが、医学的には結論は出ていません。

左利きが知能に関係するという考え方は、何世紀も前から存在しています。
左利きが知能に関係しているという説を支持する研究と反対する研究を紹介します。

“Journal of the International Neuropsychological Society”に掲載された2010年の研究では、右利きの人は左利きの人と比較すると、認知テストの成績がわずかに良いようです。

“Neuroscience & Biobehavioral Reviews”に掲載された2015年の研究では、16000人以上のデータを含む5つのこれまでの研究について調べました。
その結果、左利きの人と右利きの人のIQレベルには差がないことがわかりました。
一方で、左利きの人のほうが知的障害をかかえる可能性が高くなっていました。
しかし、知的才能のある人は左利きである可能性が高いことも示しました。

“Neuroscience and Biobehavioral ReviewsTrusted Source”に掲載された研究では、2万人以上の参加者のIQスコアを完全に測定した、これまでの18の研究について調べました。
その結果、右利きの人は左利きの人に比べてわずかにIQスコアが高いことが示唆されました。
しあし、その差はごくわずかであることも指摘しています。

逆に、頭の良さに関しては左利きの方が有利とする研究もあります。

“Journal of the Indian Academy of Applied Psychology”に掲載された2007年の研究によれば、150人の被験者のうち、左利きの被験者は右利きの被験者よりも知能テストの成績が有意に高くなっていました。
また、右利きの人は、テストを終えるまでにより多くの時間を要しました。

“Brain in 2019″誌に掲載された別の研究では、左利きの人と右利きの人の間には、遺伝的な違いがあることを明らかにしています。
約40万人のデータを調べたところ、左利きの人は、脳の左半球と右半球がよりよく接続され、言語に関わる領域がより協調して機能していることがわかりました。
これらの特徴は、左利きの人のほうが言語能力に優れていることを示唆します。

「右利き」「左利き」はよく知られていますが、作業に応じて異なる「ミックス利き手」、どちらの手も同じように使える「両利き」もあります。

利き手は複雑な特性であり、研究者たちは遺伝、環境、偶然などの複数の要因があると考えています。
そして、どの利き手になるのかは、脳の右半球と左半球の発達の違いに関係しているのではないかと考えています。
右半球は体の左側の動きを制御し、左半球は体の右側の動きを制御します。

最近の研究では、利き手には複数の遺伝子、40近くの遺伝子が関係していることが示唆されています。

左利きの両親を持つ子供は、右利きの両親を持つ子供よりも左利きになる可能性が高いと言われています。
しかし、父も母の両方が左利きであることは少なく、子どもは多くがが右利きです。
また、文化的な影響、環境、出生前の暴露なども利き手の決定に関与している可能性があります。

いくつかの研究では、左利きの人は以下のような特定の疾患を発症する可能性が高いことが示されています。

  • パーキンソン病
  • 統合失調症
  • 乳がん
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • 失読症、学習障害

左利きの人が有利であることを明らかにする研究もあります。
左利きの人は、潰瘍や関節炎になるリスクが低いことがわかっています。
脳卒中からの回復が早いこともわかっています。

また、”American Journal of Psychology”に掲載された古い論文によれば、左利きの人は創造的なアイデアを生み出すための思考プロセスである、発散的思考に優れている可能性があります。

左利きの人は運動能力に優れているという研究結果もあります。
それは「サウスポーの優位性」と呼ばれています。

左利きの人は一般人口の約10%しかいませんが、一部のスポーツにおいて活躍する人たちの中では、左利きの人が多く見られます。

左利きと右利きの間には不思議な違いがありますが、知能レベルの違いはなさそうです。
これまでの多くの研究で、この複雑な関連性が調べられていますが、結果はまちまちです。
研究者たちは左利きの人が、右利きの人よりも特別賢いということはないと結論づけています。

(出典:米healthline)(画像:Pixabay

左利き、右利きでそのような違いがあることは知りませんでした。

しかし、結局は大差がないということですね。

ただ思うに、多い右利きの人が使いやすいように作られた道具や機械、そして社会は、左利きに人にとっては難しくなっていることもあるだろうことは察します。

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(チャーリー)


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