- 9歳から13歳の間に、自閉症の子どもの身体活動率を支援することはどのような効果があるのか?
- 自閉症の子とそうでない子の間で、身体活動量に差が出る要因は何か?
- 自閉症の子の身体活動量が低い場合、将来的に何が心配されるのか?
米オレゴン州立大学の最近の研究によると、発達障害である自閉症の子の身体活動率を健康的に維持するためには、子どもの活動時間が最も減少する時期である9歳から13歳の間に支援を行うべきであることがわかりました。
この研究は2007年から2016年の間に3回の綿密なインタビューを行ったアイルランドの家族のデータセットに基づいています。
調査に参加した子どもたちは、最初の面接を9歳のとき、2回目は13歳、3回目は17歳か18歳のときに受けました。
オレゴン州立大学の研究では、9年間の調査期間中に自閉症の子ども88人と自閉症でない子ども88人を比較し、身体活動が時間の経過とともにどのように変化したか、また、子どもたちが報告した画面視聴時間(テレビ、映画、ビデオ、コンピュータやビデオゲームに費やした時間)がどのくらいかを測定しました。
自閉症の子とそうでない子の間では画面視聴時間に統計的に有意な差は認められませんでした。
しかし、身体活動の量についてはとくに思春期に顕著な違いがみられました。
自閉症でない子では9日以上であったのに対し、13歳の自閉症の子は過去2週間に中等度から活発な身体活動を行ったのは1日か2日しかありませんでした。
オレゴン州立大学の公衆衛生と人間科学のミーガン・マクドナルド准教授はこう言います。
「自閉症の子供の身体活動レベルが障害のない同級生に比べて低いことはニュースではありませんが、それが時間の経過とともにどのように進行するかについては新しい発見です」
研究では、中等度以上の活発な身体活動に焦点を当てています。
アイルランドの調査のための 3 つのインタビューのそれぞれ、子どもたちは深い呼吸と心拍数の増加を促すのに十分な少なくとも20分以上のハードな運動をインタビュー前の2週間で何回行ったのかを報告しました。
また、テレビや映画、ビデオを見たり、コンピューターゲームをしたりした時間も報告しました。
9歳の時点では、自閉症の子とそうでない子のどちらのグループも身体活動量に統計学的に有意な差はありませんでした。
しかし13歳になると、自閉症の子とそうでない子のどちらも身体活動量が減少したものの、大きな差が現れたことがわかりました。
この身体活動量の減少は17歳、18歳まで続きました。
17/18歳の時点では自閉症のない子では2週間に6~8日、中等度以上の活発な身体活動を行っていましたが、自閉症の子ではそれが0でした。
軽い身体活動への参加も13歳の時点で低下したが、17/18歳までにはどちらも回復し、自閉症の子とそうでない子で、大きな差はみられませんでした。
「身体活動は、私たちの生活の中で非常に重要な部分です。
身体活動の利点は非常に広範囲にわたっており、大きなメリットがあります。
なかでも、精神面でのメリットがあります。
社会的・情緒的な健康、社会的・コミュニケーション的な健康、そして他の人と関わる能力などに影響を与えます。
チームとして働くこと、勝ち負けの仕方を学ぶことは、組織されたチームであろうと、休み時間に遊び場であろうと、子どもたちがスポーツをすることで学ぶことができるスキルです。
しかし、基本的な協調性とスタミナを身につけていなければ、これらに参加することがとても難しくなります」
そうマクドナルド准教授は言います。
「もう一つ重要なことは、健康で身体的に活動的な子どもは、身体的に活動的な大人になる可能性が高いということです。
そして、身体活動により育まれる自立心も重要です。
自閉症をかかえる子どものなかには、親の目を全く離れることができず、自分自身の時間をもてない子もいます。
スポーツは安全な場所でそれを経験する機会にもなります」
うちの子も13歳のときにはすでにあまり運動をしなくなっていました。
もっと小さかったころは一緒に遊んだものですが、その年齢になると減ってしまったように思います。
一人になることが好きなので、自分の時間は持てているはずです。
暖かくなったら、マスクをつけてたくさん一緒に歩こうと思います。
(チャーリー)