- 社会的スキル向上の取り組みに、どのような効果が期待されるのか?
- ダンジョンズ&ドラゴンズを通じて子どもたちが得られるものは何か?
- 発達障害を持つ子どもたちにとって、テーブルトークRPGはどのような意義があるのか?
ジョージ・ブライスの誕生日パーティーに子どもたちを招待しました。
小学生のジョージは自閉症をかかえています。
そして、ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズの改造版をプレイする特別な仲間がいます。
この社会的インクルージョン・ロールプレイングゲームの取り組みは、発達障害など多様なニーズを持つ子どもたちの会話や社会的スキルの向上を目的とする、オーストラリア「Dice 4 Diversity」が運営するものです。
「彼はこのゲームを楽しみにしています。
誕生日パーティーには仲間を招待します」
ジョージは毎週土曜日に父のベネットと一緒にダンジョンズ&ドラゴンズを改造したゲームをプレイしています。
ベネットは、多様なニーズを持つ3人の子どもたちのために療育を受けさせ、そして会社を始めました。
「私たちは適切な療育のために医療システムと戦いました。
標準的な療育では何の進展もないと感じたときに、既成概念にとらわれない新しい療育方法を模索してきました」
そうベネットは言います。
「私は友人とダンジョンズ&ドラゴンズをプレイしていましたが、私は子どもたちと一緒にそれをプレイし始めました。
すると、子どもたちの社会的スキルが良くなっていることに気付きました。
子どもたちの会話が上達しているのがわかりました
現実の世界に圧倒されていた子どもたちが、やりがいを感じてそうなっていったのです。
まるで、魔法が子どもたちを長い道のりを歩めるようにしているようでした」
このゲームでは、参加者はファンタジーの世界のキャラクターになって、チームで協力して逆境を乗り越え、成功への道のりをナビゲートします。
「たとえば12歳の少年で社会的な問題を抱えていても、このゲームでは200歳のエルフになることができ、社会的な問題もかかえていません」
ベネットは、ゲームは子どもたちが社会を理解するのに役立ち、安全な環境で失敗したり、新しいことに挑戦したりするチャンスを与えてくれると言います。
「ゲームのなかでキャラクターになるということは、とても自由になることです。
先週、ある子がゲームのなかで悪い選択をしてしまい、その子のキャラクターが死んでしまいました。
彼は自分のキャラクターを殺してしまった一連の出来事について考えました。
彼は二度とそのようなことをしないと約束し、今後の選択の際にはもっと思いやりを持って行動すると言っていました」
ベネットは、このゲームが子どもたちに、後々の人生でより良い対処法を身につけさせてくれることを期待しているといいます。
「それは本当に人生で役に立つことがあるはずです。
彼は今、道の分かれ道がどこにあるのか、どの道を進むべきなのかを知ることができるようになりました」
息子のジョージはこのゲームの自由さを気に入っていると言います。
「自分が作ったキャラクターは自分です。
自由に選択することができます。
言葉が出てこないときもありますが、実際の話し方の練習になっていることも気に入っています。
問題解決のための新しい方法を考えるのにも役立つ。
他のゲーマーとの友情も楽しんでいます。
ここでは仲良くなれる人がたくさんいます」
4人の自閉症の子どもをもつジェネル・ブライスは、子どもたちに大人になるための準備をさせたいと考えていました。
「私たちの目標は、子どもたち全員が幸せな大人になって仕事ができるようになることです」
遊びながら物語を経験していくこのゲームは素晴らしい機会になったといいます。
「息子たちが他の子どもたちとつながり、自立して、人と話すことを学ぶ機会を与えてくれています。
息子たちはゲームをしているといいます。
しかし私にとっては素晴らしい練習の機会のように思っています。
息子たちが楽しいのが一番です。
息子たちは楽しみにしているので、連れてくるのに苦労もまったくありません」
(出典・画像:豪abc)
コロナ禍の今では、実際に向き合って行うのは難しいですがテーブルトークRPGは気に入れば、すばらしく社会的なスキルが身につく機会になるはずです。
既成概念にとらわれずに、こうした楽しい学びの取り組みがどんどん出てきてほしいですね。
(チャーリー)