- 薬物乱用を防ぐために精神科の薬物療法は有効なのか?
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)の人たちにとって精神科の薬の服用はリスクを減らすのか?
- 自閉症や ADHD などの障害を持つ子どもに精神科の薬を与えることのメリットはあるのか?
精神的な健康のために薬を与えることの先には、薬物が問題を解決する、試しにしてみようという考えにつながるのではいかと心配する親がいます。
一方で、もし薬がとても効果的であれば、違法薬物を使おうとすることを防ぐことにつながります。
新しい研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)の人たちの薬物使用を抑制するために、精神科の薬物療法が有効であるという証拠が少し示されています。
研究者チームはそれまで、自閉症スペクトラムの人たちはアルコールを含む薬物を乱用する可能性が低いと考えていました。
しかし、それは重度の障害を持つ人たちに焦点を当てた考えでした。
自閉症スペクトラムの人たちのより大きな集団では薬物の乱用は、自閉症でない人たちよりも高い傾向がありました。
新しい研究では、台湾の約33000人、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された約7000人を含む台湾の約33000人について調べると、自閉症をかかえる人ではアルコールを乱用する可能性が2倍、薬物利用による問題をかかえている可能性が3倍になっていました。
スウェーデンで2016年に行われた研究でも同様の結果が得られています。
平均的または平均以上の知能指数(IQ)を持つ自閉症の人では、自閉症でない人に比べてアルコールや他の薬物のいずれかの中毒になっている可能性が2倍にのぼっていました。
注意欠陥多動性障害 (ADHD) にも苦しんでいた人たちでは、よりそれが増えていました。
一方で、精神科の薬を服用していた人の間では薬物利用のリスクが 3分の1以下となっていました。
とくに常同行動や衝動性の問題がある子どもの場合であれば、投薬を検討することが重要です。
台湾のデータによれば、もしお子さんに自閉症と常同行動ががあって精神科の薬を飲んでいない場合には、薬物依存になる可能性は6倍以上になります。
衝動制御に問題がある場合には、薬物乱用やアルコール乱用の可能性は薬を服用していない場合の5倍以上にもなります。
自閉症と薬物乱用は致命的な組み合わせになります。
両方の問題を抱えている人たちでは、どちらも抱えていないグループに比べて、死亡のリスクが3倍高くなっていました。
子どもに精神科の薬を与えることを心配している親は、薬が薬物乱用から子どもを守っていることも知っておいてください。
(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay)
私もうちの子に精神科で使われる薬を与えるのには抵抗がありました。
しかし、今は飲ませています。
そのおかげで最近はよく眠れていて、ふだんの生活も落ち着き、笑顔もとても多くなりました。
学校が変わってから、うちの子は一睡もしない、座らない、絶えず水を飲む、それが数日も続きました。
本当に心配でした。病院に連れていき、医師からこう言われて以来、薬を飲ませるようになりました。
「本人が今は本当につらい状況、薬を飲むことで楽になるから」
そして薬を飲み、薬がきっかけとなり今はずいぶんと本人も楽しそうに過ごせています。
適切な薬であれば、今はそれに抵抗する理由は私にはありません。
(チャーリー)