- 自閉症や発達障害を持つ子どもがコロナ禍で得られた成長や家族との関係について、どのような良い影響があったのか?
- オンライン学習や自宅学習が、子供たちのスキルや問題解決能力にどのような影響を与えたのか?
- 新型コロナウイルス感染拡大により、支援体制が崩れたり変化した際に、どのように対応していくべきか?
昨年のこの時期、5歳のハンターは話すことができませんでした。
しかし今、彼は話しているだけでなく、本を大声で読んでいます。
新型コロナウィルス感染拡大の開始時に、母親のアリ・ミシオレクは、ロックダウンが自閉症の息子に与える影響のことを考えると本当に怖かったといいます。
アリは、これまでの療育や支援を受けることができなくなれば息子は辛くなるのではないかと心配していました。
しかし、アリと夫が家で過ごす時間が増えたことは、家族にとってはとても良いことでした。
「これまで息子は、同じ年齢の子どもと比べて成長が遅れていました。
他の子どもたちがいろいろできるようになるのを見ると、辛くなりました。
私の息子は『ママが好き』とは言ってくれませんでした。
しかし、コロナで家にいるようになって、今ではママと呼んでくれるようになったんです」
家で過ごすようになってからは、家で学習を親子で行うようになり、息子は予想以上に多くのことができることを知りました。
そして、ネット上にある教材で言語スキルが伸び、読書もするようになったと言います。
「私は、パンデミックの恩恵を受けたと言うのははばかられますが、それが事実です」
3人の子の母親であるアマンダ・ヘイワードは、パンデミックが彼女の2人の自閉症の息子、特に学校で不安に苦しんでいた9歳の息子にとっては、良いことだったと言います。
「息子は学校ではずっと苦労していました。悲鳴を上げていました。
しかし、家にいれば、友だちと交流をしつつ、母親がそばにいることで不安が解消されています」
母親のアマンダによれば、オンライン学習により、子供たちは教室の外で問題解決のスキルを練習する機会が得られました。
たとえば、いつ、どのように助けを求めるかを知ることができます。
「これらは世界をナビゲートする方法です。
大人になれば、より必要とされるスキルです。
自立するには必要となります」
発達障害の子をかかえる家族のなかには、新型コロナウィルス感染拡大による生活の変化によって、こうしてよい影響がありました。
しかし、もちろん悪い影響を受けた家族もいます。
キッシュにとっては、このパンデミックは彼女の子どもたちが依存しているサポートシステムのいくつかがいかにもろいものであるかについて考えるきっかけとなりました。
「私たちは子どもたちが基本的に無視され、まったく助けられずに6ヶ月を過ごしました
私は州と連邦政府にも非常に失望しています」
6月から9月まで、このカナダのサスカチュワン州の知的障害者の介護者は、州政府から月に100ドルの支援金が支払われました。
しかし、キッシュはこれは全く十分なものにはならなかったといいます。
学校が秋学期に対面学習を再開すると発表されたとき、キッシュは子どもたちがやっと必要な支援を受けられるようになると思いました。
「私は喜びと安堵で泣きました。
学校が戻ってきたのは大きな安心でした」
息子のデグランが学校に通い始めると、元に戻ってきたといいます。
「息子は学校が大好きです。
とても落ち着いてきました。
週末でも学校に行こうとします。なので、ジャケットと靴を隠さなければなりません。
それでも、リュックを背負ってドアのところに立っています」
キッシュは、学校が二度と閉鎖しないように、地元の人たちに公衆衛生のガイドラインに従うように願っています。
(出典・画像:カナダCBC)
大きな生活の変化がありました。
それが良いことになった家族、悪くなった家族、どちらもあると思います。
しかし、迫られた変化には対応していくしかありません。
(チャーリー)