- D&Dを通じてどんなスキルを身につけることができるのか?
- D&Dを通じた療育プログラムの効果はどういったものか?
- D&Dを通じて得たスキルは現実世界でどのように役立つのか?
自閉症の人たちを支援するグループが、発達障害の自閉症の人たちが日常生活での困難に対処するのを助けるためにファンタジーゲームでのロールプレイングを利用しています。
オーストラリアのクイーンズランド自閉症協会は自閉症の人たちが日常生活を過ごすために必要なスキルを育むために、テーブルトークロールプレイングゲームの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を利用しています。
このゲームは最近、人気が再燃しています。
このゲームは、ファンタジーのキャラクターに扮したプレイヤーのグループが協力して、設定されたマップを進み「ダンジョンマスター」またはDMとして知られる別のプレイヤーによって編成された課題に直面し、対応していくものです。
クイーンズランド自閉症協会の主任作業療法士のケイトリン・タガーによると、自閉症の10代の後半からもっと幼い子どもたちが日常生活で苦労するスキルをゲームで学ぶことができるといいます。
「私たちは、参加者が社会的なコミュニケーション、交渉、チームとして働くなど、さまざまなスキルに取り組むためのプラットフォームとしてD&Dを利用しています。
このプログラムの一番の利点は、知らないうちに療育になっていることです」
デイビッド・スミスは、自身も自閉症をかかえています。
この取り組みをリードしていて、ダンジョンマスターとして定期的にセッションを行っています。
デイビッドによれば、参加した人たちはファンタジーの設定のなかでスキルを得ていきますが、それは現実世界でも役に立つものだといいます。
「例えば、外に出て人と交流する自信をつけたい人、例えばお店に行ったりコーヒーを飲んだりする自信をつけたい人がいるとします。
そうであれば、ダンジョンズ&ドラゴンズのキャンペーンでこうします。
DMの私が演じる鍛冶屋に、壊れた剣を修理するために行くようにします。
そして、私は彼らが必要としているものをわざと誤解して、私に必要なものを教えてくれるように誘導するのです」
この取り組みは新型コロナウィルスパンデミックのロックダウンのために、一時的に中止されていました。
制限が緩和されたことで、最近再開しました
エリッサ・ピルニーは参加者の一人で、この取り組みから、短期間で多くのことを得たと言います。
「D&Dのゲームの多くはサイコロを振ります。
つまり、誰もD&Dのゲームをコントロールすることはできません。
みんがが一丸となって『どうすればいいのか』を考えなければなりません。
私も時間を忘れて夢中になって考えています」
作業療法士のタガートは、特にコミュニケーションに苦戦している人たちには非常に良い結果が出ていると言います。
「今参加している、自閉症の人たちは会話に参加し、会話を自ら始め、問題を解決しています。
そして、日常生活でも身につけたそれらのスキルが役に立っていると親は介護者から聞いています」
今後は、デジタルを含めて対面式のゲーム以外にも、この取り組みを広げていきたいといいます。
ダンジョンズ&ドラゴンズのゲームや機器を製造しているウィザーズ・オブ・ザ・コースト社も、このクイーンズランド自閉症協会に協力しています。
(出典・画像:豪brisbane times)(画像:dnd.wizards.com)
とある大学祭で、私も子どもとテーブルトークRPGを体験したことがあります。
体験しただけで、詳しいルールなどはわかりませんでしたが、好きになったらコミュニケーションが苦手な方にも本当に楽しめて、結果いろいろ得意になることも多いだろうと実感したことを思い出します。
日本でもこうした取り組みが増えたらいいですね。
(チャーリー)