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インチキ医療。発達障害の原因はワクチン、チキンナゲットで治る

time 2020/11/04

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

インチキ医療。発達障害の原因はワクチン、チキンナゲットで治る
  • 1. 自閉症の原因は予防ワクチンか?
  • 2. 自閉症の治療にチキンナゲットは有効か?
  • 3. 自閉症の子どもたちに対して効果のある治療法は何か?

一時間あたり210英ポンド(約28500円)の医療費を請求している、イギリスの開業医は、発達障害である自閉症の原因はMMRワクチンであり、チキンナゲットが自閉症の症状を軽減すると言います。

「自閉症の原因は予防ワクチン」

この主張は繰り返し、科学的に否定されています。

それにも関わらず、このロレーネ・アメット医師はMMRワクチンの副作用によって起こると主張しています。
そして、多くの親からアメット医師の診療について苦情があるものの、アメット医師は80パーセントの自閉症の人たちの症状が改善したと主張しています。

エマ・ダルメインは二人の自閉症の子をもつ母親です。
数多くの親から苦情や疑問があったため、エマは「潜入」しビデオ診療を受けました。

アメット医師は自閉症と、麻しん、おたふく風邪、風疹の予防接種との関係について説明をしました。
自閉症の子どもは食生活を変えることで症状が緩和し、子どもたちを助けるためには砂糖や加工食品を食べないこと、厳格なグルテンフリーと乳製品フリーの食事を薦め、オーガニックのチキンナゲットを食べさせることを薦めました。

アメット医師はビデオ診断で、こう言っています。

「他の医師たちは、自閉症の症状が生後18ヶ月から始まるのは偶然だと言っています。
しかし実際には、予定よりも早くワクチンを接種して、8ヶ月で自閉症の症状が出てしまった子どもがいます。
はるかに遅くにワクチン接種を受けた8歳の子どもも、接種後に自閉症の兆候を見せるようになりました。

子どもたちはワクチンの影響を受けていることは間違いありません。
ワクチンの予防摂取は、体に炎症を起こし、脳の機能に影響を与えます。
そして、腸の問題につながり、行動の問題にもつながります。

そして、これらはそのままでは治りません」

何が、一番治療になるかを尋ねるとアメット医師はこう言います。

「食事です」

菜食主義のレシピによって、こうなると言います。

「腸の習慣の改善、食欲と体重調節、改善された睡眠パターン、アイコンタクト、スピーチと感覚的な問題の改善、幸福と行動に深い効果があります」

また、971英ポンド(約13万円)で、尿、髪、食物への耐性、血液の検査、そして「抗炎症剤」を摂取することを薦めます。
さらにはその他に、他の医師と共同してスイスでの3ヶ月間の治療プランも示しました。

「潜入」し診療を受けた、自らも自閉症である44歳のエマはこう言います。

「専門家であるという人が、
予防接種について、こうして恐怖を植え付け、誤った情報を広めていることに、本当に心配になりました。

発達障害の原因はワクチンである。
その誤った考えはSNSではよく見られます。

そして、自分の子どもが自閉症なのは、自分が予防接種を受けさせたからだという、誤った罪悪感をもつと、助けを求める親たちは間違った方向へ引っ張られていってしまいます」

アメット医師は、エマにこのようなタイトルでメールも送ってきました。

「自閉症は治すことができます」

そして、自閉症による問題行動は食事で解決できると。

自閉症の人たちへの研究慈善団体のAutisticaの責任者、ジェームズ・キューザック医師はこう言います。

「こうした民間の開業医がこのように親たちに誤ったことを行っていることに危惧しています。

彼らは、科学的な信頼性がゼロである効果のない治療法を販売しています。
それは、害にさえなる可能性があります」

キューザック医師は、英国保健省や英自閉症協会、Autisticaなど信頼できる情報に頼ってほしいと言います。

アメット医師は、これらの指摘に対してこう言いました。

「あなたたちは、自閉症の子どもたちを変えることができる人たちを非難したいだけです。
私を攻撃し、私の仕事を奪いたいだけです」

(出典:英edinburghlive)(画像:Unsplash

一見、専門家のような肩書を持っている人がエセ科学やエセ医療に関わっていることは日本でも目にしたことがあります。

たとえば、物理学博士や工学博士の肩書をもつ人が、その専門分野からはかけ離れている発達障害について非科学的、オカルト的な原因を述べ、治せると。

発達障害に限らず、「波」とか「量子」とかを物理学以外の分野で言っていたら、まずそれはオカルト太郎です

私はオカルトは好きですし、未解明な事象の存在を認め、それを解き明かそうとすることこそ「科学」だと考えています。
しかし、批判に耐えられない考えはただの自論でしかありませんし、見えないもので危機感を煽ったり、不安につけこんだり、誰かを不幸にするものは許せません。

本当に困ったときこそ、正しい科学・医療、公的な専門機関やその分野での確かな医師や専門家の情報に頼ってください。

科学的に効果が認められない。自閉症を「治す」ホメオパシー

(チャーリー)


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