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自閉症の私が自閉症の研究に思うこと。私は原因には興味ない

time 2020/10/30

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症の私が自閉症の研究に思うこと。私は原因には興味ない
  • 魚を食べることができない理由は何か?
  • アイコンタクトが痛い理由は何か?
  • 自閉症の原因を追求することにどんな影響があるか?

私は18歳で発達障害の自閉症スペクトラム障害と診断されました。
そして、私はなぜ自分がこんな自分なのかを理解できました。

なぜ私は魚を食べることができないのか、なぜ香りのついたロウソクは私に吐き気を与えるのか、なぜアイコンタクトが痛いのか、なぜ私は黙っていられないのか、なぜ私は同じフレーズを何度も何度も繰り返しているのか、なぜ私は3つのドアを越えてバーベキューのにおいを嗅ぐことができるのか、なぜジョークに笑えないのか、なぜ誰も笑わないのに私だけ笑うのか、なぜ女の子らしくできないのか、なぜふりをしてきたのか、なぜ人と違うのか、なぜ感覚が敏感なのか、なぜ人に利用されてきたのか、なぜ学校を休まなければならなかったのか。

18歳になって、それらの謎が明らかになったのです。

自閉症は私という存在の根本的な部分になっています。
私の性格や考え方の根本的な部分であると信じています。

私の成功や強みは、自閉症のおかげで存在しています。
自閉症にもかかわらず、成功しているのではありません。
私の自閉症をなくしたり、「治療」しようとするのは、自殺行為です。

私と同じような、他の人とは違う人の人生が、「倫理」の議論の遊び場になっています。

毎年何百万ドルものお金が自閉症の遺伝学や神経科学の研究に使われています。
2016年、米国で自閉症の研究に費やされた364,435,254ドル(約380億円)のうち、24%が遺伝学に、35%が生物学に費やされていました。

自閉症の人たちは短命であり(なかには平均寿命が36歳と低いことを示すものもある)、自殺をする可能性が高く、若年成人の就職率が58%となっていることも研究で示されています。

それにもかかわらず、「寿命の問題」に使われているのは、その数百万ドルのうちの2%だけでした。

私は自閉症の原因は気にしていません。
私の脳が人と違うことも気にしていません。

研究で自閉症の「原因」を見つけたとして、どうなるのでしょうか?

体外受精のクリニックがすぐに自閉症のスクリーニング検査を実施し、障害を持つ可能性が最も低い受精卵のみを選択し、その他を廃棄すると考えても滑稽なことではないでしょう。
スタートアップ企業が、あなたの子どもが私のようになる可能性があるかどうかを知るための出生前検査を開発し、中絶するチャンスを与えてくれるのかもしれません。

何の利益もなしに科学は存在しません。
利益が見えてくれば、それを追求するはずです。

こうした、迫り来る「優生主義」を擁護する人は「人間の苦しみを最小化したい」と主張します。
しかし、それはどんな苦しみでしょうか?

私が経験してきた苦しみは、誤解、拒絶、偏見、孤立、虐待が理由です。
それは、他の人が自閉症の私をどう認識して、どう扱うかに依るものです。

私の苦しみは、自閉症それ自身が原因ではありません。
もし彼らが本当に「苦しみの最小化」に興味を持っているものであれば、そうしたことを変えるために活動するべきです。

これまでに、自閉症についての研究は、治療法を見つけることから、早期発見、早期療育へとその目的が変わってきました。
しかし、私には心配があります。
なぜなら、これら療育は自閉症でない人たち側をそのままにして、自閉症の人を「矯正」する方法かもしれないからです。
早期診断、早期療育を受けた子どものなかに、永続的なトラウマをかかえてしまう子もいます。

どうして、神経多様性、ニューロダイバーシティをなくそうとするのでしょうか?

誰にも、完全で尊厳のある人生を過ごすことに見合う価値があります。

それはすべての人にです。
高度な支援が必要な人、知的障害を持つ人、感情的な暴発を示す人、非言語的な人、犯罪で有罪判決を受けた人、自分自身に危険をもたらす可能性のある人、他の人に危険をもたらす可能性のある人などであってもです。

私たちは絶滅させられるべき存在ではありません。私たちには生きる権利があります。

私たちは、漂白剤を飲ませられたり、浣腸されるべきではありません。
反ワクチン/反科学運動を鼓舞される理由には、私たちはなりません。
そして、トラウマ、虐待を経験する、絶滅させられる存在ではありません。
長生き出来ないままでいい存在ではありません。

最終的には自閉症の研究が、自閉症のたちを助ける、根本的な革新的な方法を見つけ出し、今、自閉症などでない人たちが支配している社会を変えることにつながっていくことを願っています。
そしてその先には、「標準的であること」への価値、人と違うことへの偏見がなくなっていくことも必要だと考えます。

(出典:米The Tech)(画像:Unsplash

親の私もそうです。

時間は戻らないので。

原因よりも、うちの子がますます過ごしやすく楽しく生きていけることを助ける、役立つ研究に、より関心があります。

発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち

(チャーリー)


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