- 発達障害の人はどのようにしてサイバー犯罪に巻き込まれてしまうのか?
- 発達障害の子供を犯罪行為から守るためにはどうすれば良いのか?
- サイバー犯罪に関与した発達障害の人に対する適切な司法対応は何か?
英国におけるFBI、英国犯罪対策庁は警鐘を鳴らしました。
発達障害とサイバー犯罪との関係についてです。
多くの起訴されたハッカーたちが発達障害であったことがわかったためです。
31歳のローリ・ラブはアスペルガー症候群でした。
米国への身柄引き渡しを求められています。米国では99年の禁錮刑に処されます。
NASAや米国連邦準備銀行のコンピュータへのハッキングを行った罪です。
米国への引き渡しを行うかどうかの審議がイギリスで始まります。
ラブは何ら正式な罪状はなく、裁判が行われるのであればイギリスで行われるべきと主張をしています。
リチャード・ミルは発達障害について研究をし、発達障害と犯罪についての本を昨年出版しました。
そのリチャード・ミルは、発達障害におけるある特徴がネットの世界の探索を続けているうちに、犯罪につながっていってしまうことがあるといいます。
「初期の調査結果から、発達障害の人がもつ知覚能力が、時には害悪になってしまうことがあると言うことができます。
これらの多くの人たちは、ハッキングの首謀者になることはありません。
とてもプログラミングが得意なだけです。
彼らは、自分たちが行っていることが違法だということがわかっていません。
また、他者の視点で自分の行っていることを見ることができません。
プログラミングとパターン認識が得意であることから、犯罪組織により利用されてしまうことがあるのです。」
インターポールのサイバー犯罪部署でも働いていたレベッカ・レディンガムが、多くのハッカーに発達障害があることを知ったのは、数年前に英国重大組織犯罪局で働いていた頃です。
発達障害の人が切望している、気にかけてもらうことや、仲間意識、友情をインターネットが与えてくれます。しかし、ネットにひとたびつながると、犯罪に巻き込まれていくこともあります。
「彼らには、コンピュータと技術に長けている、ネット上で発揮する才能があります。
なので、していいこと、してはいけないことの境界線がわからなくなってしまうことがあるのです。
彼らの多くは、活発な交流があるゲームのコミュニティにはまっています。
現実の世界では発達障害のために消極的になってしまう、人と話すことができるからです。
ハッキングや悪意のあるソフトを作れるスキルを身につけると、現実の世界では手に入れることができなかった、名声、賞賛そして地位を得ることができます。」
米国への身柄引き渡しを求められているローリ・ラブの父親のアレキサンダーは、学校での発達障害の発見や、発達障害の子どもの力を活かせる学習プログラムの実施を求めていました。
父親は語ります。
「スターウォーズの光と闇の勢力のようなものです。
もしも、もっているエネルギーを正しい方向に導くことができたなら、このようにはならなかったはずです。
私たちは彼らを吸い込んで、誰にとっても不幸な道へ送りやってしまったのです。」
孫が発達障害である労働党の国会議員のベリー・シアマンは、ハッキングはただのゲームだと語ります。
「彼らは、金のためにやっていません。ただ、できるかどうかやってみたかっただけです。
インターネットの中のサークルやクラブに入って言われただけです、「僕はやったよ、君はやったことある?」
誰かがドアをノックして「あなたは法を破りました。罰をうけることになります。」といわれるまで、
ずっと続けてしまうゲームなんです。
きちんとした対処をしないかぎり、もっと多くの若者たちが、法秩序の一員から外れてしまったり、違法行為や犯罪に巻き込まれてしまったりすると思います。私はそれを恐れています。」
(出典・画像:英EXPRESS)
すごい才能は、きちんとよい方向に発揮されなければ、みんなにとって不幸です。
こんな話もありました。
天才が語る。受け入れていかないとみんなが不幸。
(チャーリー)