- 聴覚過敏は誰かの命を救うことができるのか?
- 自閉症の特性はどのような形で英雄的な行動につながることができるのか?
- 発達障害や自閉症を持つ人は、どのように社会で理解され支援されるべきなのか?
13歳のケイシー・ブリスレーンは他の人には聞こえないものを聞くことができます。
この少女にとって世界はうるさく、時にはうるさすぎることもあります。
しかし、この過敏な聴覚が隣人の命を救い、英雄的な行為が表彰されることになりました。
ブリスレーンの家の隣に住む68歳のスージー・シューベルトは、暗くて凍えるような1月の夜、外を歩いていると氷にすべり、腕や足を怪我しくぼんでいるところにはまってしまいました。
「私は誰か助けてと叫びました。
すると、ケイシーが走って出てきてくれたんです」
ケイシーはそのときテレビを見ていました。
かすかな助けを求める声に気づいたといいます。
そして、外に走り出てシューベルトを見つけたのです。
救急隊員が到着したときには、シューベルトは凍えていました。
「ケイシーは私から離れることはありませんでした。私の守護天使でした。
私を救ってくれました。本当に。
ケイシーの他には誰も私の声に気づく人はいませんでした」
この事故の後、他の近所の人たちはシューベルトへ見舞いに来ましたが、誰一人声が聞こえた人はいませんでした。
「ケイシーは、誰よりも聞こえる耳を持っています。
天性のものをもっています」
そうシューベルトは言います。
ケイシーには蛍光灯の音が聞こえるといいます。
ケイシーの母親によれば、赤ちゃんのころから誰かがトイレに水を流すと泣き出していたといいます。
掃除機が使えるのは、ケイシーが外にいるときに限られました。
たくさんの子どもたちがいるときも、ケイシーはつらいといいます。
「もし、聞こえている音量が人の目に見えたら、ほとんどの人は40くらいの音量だと思います。
それが、私は60くらいになっているはずです。
学校ではよく耳栓をしていました。
いつも、なんで耳栓をしているのかを尋ねられました。
しかし私には、むしろなぜ耳栓をしないで済むのかがわかりませんでした」
ケイシーは発達障害の自閉症と診断されています。
作業療法を受けるようになってから、聴覚の困難も緩和されてきたといいます。
「私はいつも、私の聴覚過敏は悪いことであり、私は間違った存在だと思っていました。
しかし、私がそうでなかったら、シューベルトは死んでいたかもしれません。
私の聴覚はあったから、命を救えました。
それは本当に良かったと思います」
ケイシーはガールスカウトに参加しています。
人の命を救った人に与えられる名誉勲章が授与されることになりました。
命を救われたシューベルトはこう言います。
「ケイシーは最高に優しい子です。
金色に輝く心をもっています」
ケイシーは受賞したことに緊張し、興奮しているといいます。
そして発達障害、自閉症の特性を理解してもらうために、自分の出来事を広く知ってほしいとも思っています。
「私が死んでも、記憶に残るようなことをしたと思っています。
自閉症だったから、少女は命を救えたと憶えてもらえるといいです」
違うこと=悪いこと
そんなことは全くありません。
良いことだって、素晴らしいことだってあります。
(チャーリー)