- 乗馬療法が自閉症の子どもたちに本物の馬からしか得られない効果をもたらすのか?
- 乗馬療法の効果の理由は何なのか?
- 本物の馬に乗ることが難しい子どもたちも乗馬療法の利益を受けられる方法はあるのか?
自閉症の子どもたちに乗馬療法が良いことが示す証拠が多く現れています。
しかし、その効果は本物の馬からしか得られないのでしょうか?
米テキサス州ベイラー大学の科学者とエンジニアによる研究チームは、自閉症の子どもたちに対しての乗馬療法の有効性を検証するために、馬に乗ったときの動きをシミュレートする装置を開発しました。
これまでの研究で、乗馬療法が自閉症の子どもたちの社会性や運動能力の向上を達成するだけでなく、感覚過敏や多動を軽減することも示されています。
しかし、その効果をもたらす理由はまだわかっていません。
研究チームは、馬の歩行による複雑な三次元の動きが、馬に乗っている人が平衡を保とうと体を動かすことが感覚を刺激し、自閉症の子どもたちに不足している神経学的な接続を増やすのではないかという仮説をもっています。
乗馬療法に効果があっても、地理的、物理的、経済的な理由から、これを利用できない子どももいます。
ベイラー大学工学部機械工学科准教授のブライアン・ガーナー博士は、乗馬時の動きを再現する装置「ミラコルト」を開発しました。
この装置による、乗馬療法の有効性をテストします。
自閉症の子どもたちが10週間、他の運動・認知活動も行いながら、この機械式の馬に乗ります。
参加者はさらに10週間のプログラムを受け、じっと座ったまま同じ運動・認知活動も行います。
そして、機械の馬にのっていた間の結果と比較し、乗馬シミュレータの有効性を評価します。
「これは学術的な研究です。
私たちの研究チームは、機械工学、健康科学、教育心理学、コミュニケーション科学、そして障害について詳しい専門家から構成されています。
言葉や体のバランス、筋肉の調整、脳波ヘルメットを使用し脳活動の改善について評価を行います」
研究チームは、これまでに健康な成人を対象にミラコルトを使用した場合の生理学的効果の研究を行っています。
そして今回、自閉症の子どもたちに参加してもらって、初めての本格的な有効性評価となります。
ガーナー博士は、この機械の馬、ミラコルトの特許を取得し、会社も設立しています。
協力しているベンチャーキャピタルのアレン・ペイジは二人の自閉症の子の父親です。
ペイジは、より多くの家族に研究に基づいた療法、療育が必要であることを理解しています。
「米国では、54人に一人の子どもが発達障害だと推定されています。
まずます増加していくなかで、こうした研究はとてもタイムリーで求められています」
ミラコルトは乗馬の有機的な動きを理解し、その動きを再現するデバイスを作成する、三次元モーション キャプチャ技術を使用した技術へのチャレンジです。
「私たちは技術を利用して、人々の生活を改善していけるようにします。
それは、身体的なニーズだけでなく、精神的なニーズにも役立つものになることを願っています」
(出典・画像:ニュージーランドhorsetalk)
うちの子も馬に乗せられたら、それは喜ぶはずですし、良い効果もありそうです。
ですが、これまでに馬に乗れたのは2回くらいです。
本物のお馬さんにはかなわないと思いますが、多くの子どもたちが利用しやすくなる取り組みは応援したいですね。
(日本にある似たようなダイエット器具はどうなんでしょう。)
(チャーリー)