- 演劇が自閉症や発達障害の人にどんな影響を与えるのか?
- 自閉症の人たちが抱える困難にどのように対処することができるのか?
- 自閉症の人たちが社会で認められるためにはどんな理解が必要なのか?
28歳のデイビッド・ペトロヴィッチは3歳まで、全く話すことができませんでした。
「息子は非常に洗練されたものを持っていて、パントマイムのようなものをやり始めました。
息子はパントマイムのように演技をするので、何を言いたいのか理解することができました」
そう父親のサンディは言います。
「自閉症と聞くと、ステレオタイプなイメージが頭に浮かぶと思います。
実際にはそうではありません。
私たちが伝えたかったのは、自閉症の人はみんな全く違うということです」
デイビッドはトゥレット症候群とアスペルガー症候群と診断されています。
父親のサンディは「高機能自閉症」と表現します。
「社会的スキルとコミュニケーションが 非常に困難で、反復行動や強いこだわりなどをもっています。
そして、感覚にも問題をかかえています」
デイビッドは子どもの頃に演劇と出会いました。
「7歳で演劇に参加しました。
最初は友だちを作るための方法でした。
それが、共感や思いやりの心を強化するのに役立ちました」
最初は言葉を話すことができなかったその小さな少年が、今では講演活動を行っています。
TEDにも出演しました。
「国際的な舞台で自分のメッセージを発信できたことは、名誉であり素晴らしいチャンスでした」
そうデイビッドは言います。
自閉症への固定観念を打ち砕くデビッドは、中学校の社会科の教師でもあります。
デイビッドはいじめられていた経験をもとに、心を込めて教えています。
「私はまた、子どもたちのことに情熱を注いでいます。
子どもたちの精神的、感情的なニーズが満たされているかどうかを確認しています。
そして、誰にでもそばにいてくれる人がいることを知ってほしいと思っています」
現在でも自閉症による困難をかかえていますが、今は対処できる方法をもっています。
「学校でスケジュールの変更などがあると、少しパニックを起こしてしまいそうになります。
また、ポケットにはいつも耳栓を入れていて、必要なときには不要な雑音が聞こえないようにしています」
デイビッドと母親のサンディは本も出版しています。サンディはこう言います。
「私たちには、多くの奇跡があり、自閉症でなかったら出会えなかった、私たちの人生にとって素晴らしい人たちがいました」
発達障害である自閉症は、困難なだけをもたらしたわけではないといいます。
「子どもの頃は、息子は独りよがりでもっと積極的で、他人の視点を理解していませんでした。
しかしそれが今では、とても思いやりのある大人になりました。
私の誇りは息子が成し遂げたことだけではありません。
私の誇りは息子が多くの夢を持っていて、一生懸命にそれに向かっていることです。
とても根性があります。
やる気に満ちていて、決して止まらない。挫折してもすぐに立ち上がります」
デイビッドは自閉症の人たちを 違った目で見てほしいと願っています。
「会話をしたり、聞いたりしなければ、その人の本当のことはわかりません」
(出典・画像:米wkyc)
こういう方がこうして活動をしていくことで、ステレオタイプも壊れていくはずです。
そして何より、そうした方と家族を元気にしてくれますね。
本当の自閉症スペクトラム障害の医師はテレビドラマとは違います
(チャーリー)