- 自閉症を持つ子どもの胃腸問題はどのようにして特定できますか?
- 胃腸の問題が行動上の問題とどのように関連しているのでしょうか?
- 自閉症の子どもの胃腸問題を改善する方法はありますか?
米カリフォルニア大学デービス校健康センターの新しい研究で、下痢、便秘、膨満感などの一般的な胃腸の症状が就学前の子どもたちの睡眠問題や自傷行為、身体的な苦情に関連していることがわかりました。
“Autism Research”に掲載されたこの研究によればこれらの消化器症状は、自閉症をかかえる幼い子どもでは、より多くあることで、パニックを引き起こす潜在的なリスクになっているとも考えられます。
「医師や親は、自閉症の子どもたちは胃腸に関連する問題を高い確率でかかえることを認識する必要があります。
この研究は、消化器症状と就学前の年齢の子どもたちに現れるいくつかの問題行動との関係性を明らかにしました」
そう、この研究を行った小児科のビビアナ レストレポ臨床助教授研は言います。
自閉症スペクトラム障害 (ASD) をかかえる子どもの親から、胃腸に関わる問題はよく耳にすることです。
今回の研究では、カリフォルニ大学デービス校のMIND研究所の研究チームが自閉症の有無にかかわらず、就学前の年齢の子どもたちについて胃腸の問題の評価を行いました。
この研究では、2歳から3歳半までのASDの子ども255人(男の子184人と女の子71人7)と、同年齢層の発達障害のない子ども129人(男の子75人と女性54人)が参加しました。
自閉症を専門とする小児科医が、子どもの医学的評価の際に保護者に面接を行い、保護者に嚥下困難、腹痛、膨満感、下痢、便秘、痛みを伴う排便、嘔吐、嚥下困難、便に血が混じっている、嘔吐物に血が混じっているなどの消化器症状をどのくらいの頻度で子どもに起きたかを尋ねました。
研究チームは、1つ以上の胃腸の問題症状を経験した子どもと、過去3カ月間にそうした症状がなかった子どもたちを2つのグループに分けました。
そして、2つのグループの子どもたちを、発達、行動、適応機能の尺度で比較しました。
その結果、ASDを持つ就学前年齢の子どもたちは、通常の発達段階にある子どもたちに比べて2.7倍も胃腸の問題を経験する可能性が高いことがわかりました。
ASDを持つ子どものほぼ50パーセントが頻繁に胃腸の問題を報告しています。
発達障害のない子どもでは、それは18パーセントです。
そして、ASDの子どもの約30パーセントが複数の胃腸の問題をかかえていました。
多発性の胃腸の問題は、自閉症の子どもとそうでない子どもの両方で、睡眠や注意力の問題、自傷行為、攻撃性、制限的または反復的な行動など問題行動の増加との関連が認められました。
そしてこれらの問題の重症度は、自閉症の子どもたちの方が高くなっていました。
「問題行動は子どもの胃腸の不快感の表れかもしれません。
胃腸の問題は治療可能な場合が多いです。
自閉症の子どたちが胃腸の問題をよくかかえるということをまず認識することが重要です。
自閉症の子どもたちの胃腸の問題を治療できれば、それは子どもと親にも助けになると考えられます」
そう、MIND研究所の精神医学・行動科学部門のクリスティン・ウー・ノルダール准教授は言います。
なお、この研究では胃腸の問題と子どもたちの発達、性別との関係は認められていません。
胃腸の問題は、男の子と女の子で違いなく、就学前の子どもに見られました。
(出典:米カリフォルニア大学デービス校健康センター)(画像:Pixabay)
うちの子も胃腸関連で不快なことが多いように思います。
しかし、お話ができないので詳しくはわかりません。
痛みや苦痛に気づき、助けられることにつながるこうした研究は本当に頼りにしたいものです。
(チャーリー)