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自閉症の女性が少ないのは偽装が上手だから。しかしその結果

time 2020/07/01

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の女性が少ないのは偽装が上手だから。しかしその結果
  • 自閉症の特徴をカモフラージュすることで、女性がどんなメンタルヘルスの問題を抱える可能性があるのか?
  • 自閉症の特徴を隠すことが、女性にどんな影響を与えているのか?
  • 自閉症の女性が正しく診断されずに困難を抱えることがある原因は何か?

米国では、発達障害である自閉症と診断される人の中で女性は約20パーセントしかいません。
単純に男性は女性よりも、自閉症をかかえる可能性が高いのかもしれません。
しかし、メンタルヘルスの専門家は女性は自閉症の特徴を抑制することが上手であるだけではないかと疑っています。
そして、自閉症と診断されなければ、これらの女性が経験するメンタルヘルスの問題が誤って理解される可能性があります。
米ブリガムヤング大学の新しい研究では、そのような女性が直面する課題に注目しました。
“the journal Autism”に掲載されたこの研究は、自閉症の特徴をカモフラージュしている女性の量(自閉症の特質を隠したり埋め込んだり)と、メンタルヘルスの懸念の深刻さとの間に強い相関関係があることを示しました。
研究では自閉症の症状がある58人の女性のうち、大多数が自閉症の特徴を頻繁に隠している、マスキングしていると報告しました。
つらいことにその大多数の人がうつ病(62パーセント)、ストレス障害(66パーセント)、不安障害(67パーセント)を含む重大な心理的苦痛を報告しています。
そして、62パーセントの人がこれまでに自殺を考えたことを報告しています。
半数以上の人が、友情の維持や仕事などで、ふだんかかえている困難や辛さがあることを伝えています。
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ブリガムヤング大学で心理学の博士研究の一環としてこの研究に加わったジョナサン・ベック博士はこう言います。
「メンタルヘルスに関わる医療従事者は、自閉症の特徴を持つ女性を適切に診断し支援する際にはその大きな重要性を認識しなければなりません」
今回の研究では、女性が正しく自閉症と診断されない理由の一つが「カモフラージュ」にあることを示唆しています。
今回の研究のリーダーである、ブリガムヤング大学の心理学の准教授、レベッカ・ルンドウォール博士はこう言います。
「何年もの間、困難をかかえ、何度も正しく診断されることがなかった成人の女性たちは少なくありません」
18歳から42歳までのこの研究に参加した女性たちにとっても、メンタルヘルスの課題を他人に詳細に共有したことは初めてでした。
「なぜ自分は人と合わないのか、なぜジョークが面白いのか、
どうして辛いことがわかってもらえないのか、どうして辛いのか、自分の何が悪いのか、
彼女たちはそうしたことに悩んで、悲惨な状態でした」
そうルンドウォール博士は言います。
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今回の研究のために、まわりの社会状況に混乱している、疲れていると感じている女性を募集しました。
そして、自閉症の特徴の有無をみて研究への参加者が絞られました。
そのなかで自閉症と正式に診断されていた女性は、わずか1/3のみでした。
カモフラージュとメンタルヘルスの懸念との関連を分析するために、研究チームは女性に調査とインタビューを行い、観察可能な自閉症の特徴を評価するためのテストや構造化された社会的相互作用など、いくつかの対面評価を行いました。研究に参加した女性のほとんどは平均または平均以上のIQを持っていました。
誰でも自分のことをカモフラージュしている可能性がありますが、社会的状況をよりよく認識または懸念している、平均および平均以上のIQを持つ自閉症の女性は、それを極端に行っていると考えられます。
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そして自閉症の女性は自閉症の男性よりもうまくカモフラージュできるかもしれません。
なぜなら女の子は多くの場合、まわりの人に配慮しうまくやっていくように育てられるからです。
ルンドウォール博士はこう言います。
「それが、これらの女の子と女性をもっと早く診断してもらいたい理由の一つです。
彼女たちは言われたことができるのです。
めずらしいことではありません。一人ではなく、まわりにあわせることができるのです」
ベック博士も同意します。
今後の研究で、これらの女性が直面する独特の懸念をさらに明らかにしたいと考えています。
(出典:米ブリガムヤング大学)(画像:Unsplash
上手であるからこそ、困難を極限までかかえてしまうのですね。
サポートが必要な人に、正しくサポートがなされるようになっていくことを願います。
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(チャーリー)


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