- 発達障害や自閉症の人がゲームを楽しむためにはどんな工夫が必要ですか?
- 自閉症の子供たちがゲームを通じて得られる学びにはどんなものがありますか?
- ゲーム開発者が発達障害のプレーヤーを考慮するとき、どんな点に注意すべきですか?
これまでの10年でゲームは身体に障害をかかえるプレーヤーへの対応で大きく進歩してきました。
色覚サポート、ボタンの連打の代わりに長押し、字幕追加、サイズ調整、コントローラーのボタン位置の割当変更などの機能を追加することで、ゲームを楽しめる人は大きく広がりました。
しかし、自閉症などの発達障害の人がゲームを楽しめるようにするには何ができるでしょうか?
カナダのモントリオールを本拠地とするエンターテインメント企業、リフレクターではこの問題を、そうした子どもたちの教師であるケルシー・キルコフとともに、プロジェクトパーラカで取り組んでいます。
リフレクターのチームの支援と指導を受けて、ビデオゲームデザインスクールISARTデジタルモントリオールの8人の生徒たちが卒業プロジェクトの一環として10分間のゲームを完成させるためにがんばっています。
「パーラカ」は、保護者と子どもとの関係を考えさせるゲームです。
プレイヤーは保護者をコントロールし、迷子になった子どもを助けます。
協力して、危険な環境を横断し、危険を回避し、途中でパズルを解かなければなりません。
プロジェクトパーラカが昨年の10月に始まってから、生徒たちは隔週で2〜3時間、リフレクター社の人たちと話をします。
ゲームを開発している生徒のロリック・トリュデュー・ポウレノボルはこれまでに10人と話をしています。
「ゲーム開発が理解でき、正しい方向を向いて考えていたよりも良いゴールが見えるようにしてくれました」
自閉症の人向けの1プレイ10分のゲームを開発することは、生徒たちにはもちろん簡単なことではありません。
しかし、自閉症スペクトラム障害の人がゲーム内の指示に対してどう反応するのかを考慮しつつ、自閉症でない人も楽しめるように検討し、生徒たちはゲームストーリー、シーン、ゲーム内容を設計しました。
保護者と子どもが最後までたどり着くためには、お互いに助け合わなければなりません。
シングルプレイヤーゲームですが、レベルを上げるには子どもとのチームワークが不可欠になっています。
「それは自閉症の人が、自分が欲しいものを手に入れるために誰かに少しコントロールしてもらう必要があるという側面を教えてくれます」
また、視覚的および聴覚的手がかりを追加してプレイヤーがゲームに混乱してパニックを起こすことにつながらないように考慮しました。
言葉や会話ではなく、周囲の騒音や効果音を使って状況がわかるようにしてあります。
プレーヤーは保護者をコントロールし、進行するにつれて子どもの感情を理解しなければなりません。
例えば「鳴く声」は、言葉がなくても気持ちを伝える音声です。
子どもが苦痛を感じ、助けが必要かを伝えます。
これは、現実の世界での自閉症の人の感情を知る手がかりをわかることを願ってのものです。
現在のビデオゲームのほとんどは、自閉症の人を考慮してはいません。
しかし、研究者によって自閉症の人向けに作られたものはあります。
カナダのビクトリア大学の心理学者、ジム・タナカは、自閉症の人が楽しんで、顔の表情から感情を学べるゲームを作りました。
「自閉症スペクトラム障害の人にゲームは予測可能な一貫した、不安がない環境を提供します。
画面上に映る人の顔は、自閉症の人にとって現実の世界の顔よりも脅威が少ないことを発見しました」
「パーラカ」を開発している生徒のロリックによれば、プレイヤーのレベルにあわせてゲームの難易度が変わるようにすることが難関の一つだったといいます。
プレイヤーのレベルにあわせて、ストーリーに不可欠なアイテムが光ったり、どこに行くべきかを示したり、ゲームの仕組みを表示するようにしています。
「ゲームをより広い人たちに楽しんでもらえるように設計することは、すべての人がよりよいゲーム体験ができるようにすることです。
自閉症の人たちが楽しめるようにすることは、すべての人が楽しめるようにすることも意味しています」
新型コロナウィルス感染拡大のために現在、チャットアプリのDiscordを通じてリフレクター社の人たちと連絡を取りながら、生徒たちは自宅で開発作業を行っています。
そして、10人の発達障害の子どもたちとその家族が、ネットでゲームのテストプレイに参加しています。
ゲーム開発は、スムースにソーシャルディスタンスを確保した環境に移行し進められています。
リフレクター社はこのゲーム「パーラカ」の開発から学んだことで、こう述べています。
「これからのゲーム開発には、学んだことを考慮して行います。
ゲームは本当にみんなのためのものです。
誰でもゲームを楽しんでプレイできるように考えることを忘れてはならないと思います」
(出典・画像:米The Washington Post)
最近は全くしていませんが、私もゲームは大好きです。
ほんとうにたくさんの人が安全に楽しめ、想像力も育める素晴らしいものだと思っています。
ですが、うちの子のきょうだいはフォートナイトのすでに中毒者かも。
発達障害の息子がゲーム中毒なので全部禁止
(チャーリー)