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自閉症スペクトラム障害の10代の子どものうつ病リスクは3倍

time 2020/04/25

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自閉症スペクトラム障害の10代の子どものうつ病リスクは3倍

すべての親が知っているように10代の子どもは、勉強や友だちと関係、思春期の体の変化などたくさんのストレスをかかえています。
この頃は、発達障害である自閉症スペクトラム障害 (ASD) を持つ子どもには特に困難になるでしょう。
最近の研究では、ASDを持つ10代の子ども、そして青年はASDでない同年代の人と比べてうつ病になる可能性が約3倍になることがわかりました。
■うつ病の典型的な症状
ときどき悲しくなったりすることは当たり前のことですが、悲しむことが長く続く場合にはうつ病のサインである可能性があります。
うつ病の他の一般的な徴候や症状は、思考パターン、行動の変化、身体症状で分類できます。
うつ病で見られる一般的な思考パターンには、罪悪感、絶望感、無価値感、過度の心配、死や死への思いなどがあります。
行動の変化には、社会的引きこもり、過敏性の増加、好ましい活動への関心の低下、身体的症状としては、食欲の変化、睡眠障害、元気がなくなるなどがあります。
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■ASDをかかえている場合、うつ病の症状を認識することは困難
ASDの症状と重なる部分がいくつかあるからです。
気分の識別やそれを正確に伝えることが難しい、表情がとぼしい、睡眠の問題、社会的引きこもりなどです。
このような重複があるため、うつ病の評価には複数の観察者、つまり介護者、教師、医療従事者が関与する必要があります。
評価をする際には、10代の若者としての行動や機能の変化を考慮する必要もあるでしょう。
うつ病であれば、症状は通常少なくとも2週間は続き、いつもとは明らかな違いを示します。
ASDの10代に顕著に現れるうつ病の特徴は、ASDに関連した行動の増加、過敏性、自傷行為などが挙げられます。
ASDの10代の多くが特定の興味を持っていますが、例えば漫画のキャラクターを描くのが好きな人は、不幸なキャラクターを描くことが多くなるかもしれません。
また、より多く泣いたり、攻撃的になったり、入浴や食事を食べることを拒否するようになるかもしれません。
思春期のためにそうなっていると考える親は少なくありませんが、うつ病である可能性についても考えるべきです。
■ASDをかかえる10代の子どものうつ病を疑った場合、親や介護者はどうすればよいか?
ASDをかかえる10代の子どもがうつ状態にあるのではないかと思ったら、親はその子の気分を聞いてみるべきです。
ASDをかかえる10代の子どもの中には、自分の気持ちを話すことができる子もいますが、それが難しい子もいます。ASDをかかえる10代の子どもは、空腹感、疲れた、退屈だと答えるのが一般的です。
うつ病が気になる場合は、小児科医やメンタルヘルスクリニックの医師に相談してください。
診察の目的を、気分を良くするための治療計画を立てるためであることを伝えることで、10代の子どもが診察での評価に役立つことがあります。
評価には、気分の評価、最近の生活の変化やストレス要因についての話し合い、過去の医学的・精神的健康状態、精神疾患の家族歴、安全性の評価などが含まれます。
うつ病の人の中には、死を考えたり、自殺したいと思ったりする人もいるため、このように考えを評価することは、治療チームが10代の子どもや家族と協力して自傷行為や自殺のリスクを減らすためにとても重要になります。
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■ASDをかかえることは、10代の子どものうつ病のリスクを高めますが、効果的な治療法がある
幸いなことに、うつ病には多くの治療法があります。
うつ病の総合的な治療法としては、家庭的、社会的、教育的ストレス要因に対処することができるもので、ライフスタイルを変える、トークセラピー、薬物療法などがあります。
一般的なライフスタイルを変える方法としては、定期的な運動、十分な睡眠、良質な栄養、ストレスの多い状況を避けるための支援などがあります。
ASDをかかえる10代の子どもの多くは変化を嫌うため、ライフスタイルの変化に抵抗することがあります。
ASDをかかえる10代の子どものうつ病の治療に効果的であることが実証されているトークセラピーには、認知行動療法(CBT)と行動活性化(BA)の2種類があります。
CBTは、気分を改善するために役に立たない思考パターンや行動を変えることに焦点を当て、BAは、ポジティブな経験をする機会を増やすために楽しい活動を計画するのを助けることで気分を改善します。
自分がうつ病であると自覚していないASDの10代の若者は、対話療法を試みることに抵抗があるかもしれません。
そのために、セラピストはまずその10代の子どもと適切な治療目標を共有することから始める必要があります。
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薬物療法も有効ですが、ASDのうつ病に特化した抗うつ薬は発表されていません。
抗うつ薬は低用量から始め、ゆっくりと増量していくことが重要です。
10代の子どもでも、抑うつ状態のままで改善がみられず、一方で副作用が出ていない場合は、処方者と協力して徐々に薬の量を増やしていくことが重要となります。
抗うつ薬の一般的な副作用には、頭痛、消化器系の問題、不安感の増大、睡眠や元気がなくなるなどがあります。最初の抗うつ薬が効果的でない場合は、別のタイプの抗うつ薬を試すことも価値あることです。
ASDをかかえる10代の子どもや、若年の成人は、うつ病のリスクが高いかもしれません。
ですが、回復力を高め、症状の重症度を軽減し、生活の質を回復させるための多くの治療法があり、それは治療可能です。
(出典:米ハーバード大学医学部)(画像:Pixabay
うちの子もすごく不機嫌で騒ぎだしたり、ずっと悲しそうに見えることがあります。
重度の発達障害、知的障害があり自分の気持を伝えることが難しいため、うつ病になったとしてもなかなかわからないでしょう。
いつも、いろいろ苦しんでいたりしないか心配になります。
とりあえず笑顔を見せてくれると私は安心できるというところです。
自閉症の人の多くが40歳未満で死亡。みんなに行動してほしい

(チャーリー)


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