- 自閉症や知的障害を持つ子どもたちが自然環境でどのように成長する可能性があるのか?
- 自閉症や知的障害を持つ子どもたちの不安を軽減し、成長を促すためにはどのような環境が必要なのか?
- 家族や地域コミュニティが自閉症や発達障害を持つ人たちを支援するためにできる具体的な方法は何か?
オーストラリアの非営利団体が40ヘクタールの農場を購入しました。
なだらかな丘の上にあるこの農場には、近くの山々の素晴らしい景色が広がっています。
晴れた秋の朝には、鳥のさえずり、さわやかで新鮮な空気、木々が生き生きとしています。
マンスフィールド自閉症支援サービス(MASS)がこの農場を購入し、野心的な計画を立てています。
責任者のシモーネ・リーブスにとって、ここは大きな可能性に満ちた場所です。
「特別な場所です。
広く、起伏に富んだ農場で、素晴らしい景色に囲まれています」
そう、シモーネはいいます。
この非営利団体は、オーストラリアのビクトリア州内で300の家族にサービスを提供しています。
家やテニスコート、パドックなどを自閉症の子どもや若者のための静かな逃避場所に変えてきました。
この農地は完成すれば、学校、治療サービス、宿泊施設、家族キャンプ場などを含む場所となります。
「これを作ることが夢でした。
自然、そして空間は発達障害の人たちにとってはとても重要です。
大きな成長につながるはずです。
私たちのところに来る子どもたちの多くは不安障害をかかえている状態です。
自立すること、学力を伸ばすことのためには、まずその不安を軽減させる必要があります。
穏やかな環境があれば、人生が変わります」
ステイシー・マノグルーは4人の子をもつ母親です。
15歳の娘のカテリーナは自閉症と知的障害をかかえています。
双子の男の子のニコスとフィリップは小学校に入学する前から、MASSで療育を受けています。
カテリーナには24時間体制でのケアが必要です。
騒音や周囲の環境が原因でパニックを起こしてしまうこともあります。
「難しいことは多いですが、自分でしなければならないことに対処できるように学ばなければなりません。
私も助けるために必要なことをしなければなりません。
娘のカテリーナはコミュニケーションをとることが難しいため、何を必要としているのかを理解することは他の人には困難です。
娘がMASSで療育を受けてからは、とても成長しています。
MASSの人たちはまるで家族の一員のように私たち家族を助けてくれています」
そうステイシーは言います。
カテリーナと双子の弟たちはもう農場を楽しんでいます。
馬に乗ったり、子牛に餌をやったり、たきびでマシュマロを焼いたりしています。
このことは、現在のコロナウィルスの感染拡大の状況のなか、子どもたちのストレス軽減にも役立っています。
他の子どもたちは農地内をハイキングしたり冒険したりもしています。
ステイシーは騒がしい外の世界を離れ、歓迎されて気晴らしをすることができたと言います。
「うちの子どもたちは、とてもここが大好きになっています。
広々としていて、平和で、走り回れて、素晴らしいところです。
ここ数週間は多くの子どもたちの生活がこれまでとは違っています。
こうした農場があることはとてもありがたいことです」
農場を購入したことは、プロジェクトの一歩にしか過ぎません。
MASSはさらなる計画の実現のために、資金調達を始めています。
シモーネは多くの家族が、この感染拡大の間の厳しい社会的距離措置が解除されたあとに「危険モード」になるだろうと考えています。
「発達障害の子どもと暮らす家族は、それまで受けていたサポートがなくなっていて、ふだんよりも深い孤立を感じています。
感染拡大終了後にはそれに対応する準備が私たちには求められます。
この農場があってよかったと思います。ここでは、子どもたちは本当に安心できます」
(出典・画像:豪abc)
広い農場であれば、今でも利用しやすそうです。
感染拡大が終了し、日常が戻ってくるそのときには支援を求める声は間違いなく大きくなっているでしょう。
何週間も学校の休みが続く自閉症の子どもと親の家での過ごし方
(チャーリー)