- 自閉症スペクトラム障害を持つ人が就業機会にアクセスすることは困難か?
- 就労支援困難な地域において、障害を持つ人の自立を促す取り組みは可能か?
- 障害を持つ人が職場で適応し、成長するためにはどのような支援が必要か?
発達障害である自閉症スペクトラム障害を持つファリス・ウォンは就業の機会が少ないシンガポールで就職することは困難です。
32歳のファリスは、知的障害、脳性まひ、自閉症スペクトラム障害などの若者たちが働く「ピーラブ」に入るまでずっと長い間、家にいました。
ピーラブでは、キーホルダーやカードホルダー、財布などの美しい革製品を手作りしています。
昨年の2月から働き始めて、大きく成長できたと母親のハヤティブはいいます。
ピーラブはエオ・ヒー・クヒムと夫のトン・チェン・ヨーが2014年に設立しました。
エオはこういいます。
「私は17年にわたって建築家として仕事をしてきましたが、子どもたちのためにキャリアを変えました」
3人の子をもつ母親であえうエオは、特別支援学校でボランティア活動を行い、生徒たちと関わりました。
そして、学校を卒業したあとに仕事を得る機会がなかなかないことを知りました。
「それで、私は自分のデザインスキルをどうにか活用して、子どもたちを助けることができないか考えました」
現在、企業向けなどにギフト用の革製品をピーラブでは作っています。
エオはそれまで革細工の作り方を知りませんでした。
シンガポール、香港、韓国、そしてイタリアで3ヶ月間、作り方を学びました。
革製品を作るのには先の尖った工具と機械を使うために、優れた運動能力と手と目の協調が必要なことがわかりましたが、ピーラブに来る子どもたちにはそのままでは難しいこともわかりました。
「私は自分のデザインに関わる技術を使って作業工程を変えたんです。
たくさんの雛形を使い、作業をより小さく分割しました」
ガブリエル・タンは19歳、自閉症スペクトラム障害をかかえています。
初めてピーラブを訪れたときには、じっと座っていることもできませんでした。
それが2ヶ月続いた後、ガブリエルは変わりました。
「革のキーホルダーを完成させると大喜びしたんです」
母親のアイリーンはもう心配はないといいます。ガブリエルは縫製の仕事が特にお気に入りです。
「今では自分の仕事を楽しんでいます。
仕事を終えるようにいっても、なかなか止めません」
ピーラブの仕事をするなかで一番好きななことについて、エオはこう言います。
「一緒に過ごす時間が楽しいんです。
彼らはシンプルで、幸せそうです。みんな友だちです」
シンガポールのハリマ・ヤコブ大統領のために革製品の贈り物をピーラブで作ったことは、エオの記念になりました。
これまでの数年間は、プロの革製品の職人にすることが目標でした。これからは持っている才能を生かして、創造性のあるデザインに力をいれていきたいとエオは考えています。
「ピーラブをこれからは、シンガポールの代表的なブランドに発展させていきたいと思っています」
(出典・画像:シンガポールasiaone)
ぜひ、ブランドになって頂きたいと思います。
たーとるうぃずでも素晴らしい革製品を紹介させて頂いています。
本革の療育手帳/障害者手帳カバー・I’llbe(あいびー)
(チャーリー)