発達障害の人たちは特定のテーマに夢中になって、情熱をもってたくさんの知識をもったりすることがあります。
発達障害でない人であれば、それは単純にファンだと思うでしょう。
しかし、発達障害の人とってはコミュニケーションし、友だちを作り、コミュニティに入り、そして就職先につながる手段になるかもしれません。
「スター・トレック」は発達障害の人たちにはとくに人気のものです。
そして、発達障害でない人たちの世界を理解するための方法にもなっています。
私はスター・トレックのファンではありませんでした。
私が関心をもったのはそれを見ていた父の影響です。
そして発達障害の仲間からスタートレックの話を聞くようになると、宇宙船のエンタープライズ号と宇宙でのストーリー、世界に夢中になっていきました。
スター・トレックの中で登場人物が経験すること、生活を見ることは、発達障害の私たちにとって本当に有益でした。
発達障害の人たちのスター・トレックへの熱狂は、映画「500ページの夢の束」で最も表されているでしょう。
グループホームに住む発達障害の女性、ダコタ・ファニングが演ずるウェンディが自分が見る宇宙を広げ、スター・トレックの脚本を書き、届けようとパラマウント・ピクチャーズへの旅。
スタート・レックがウェンディに計り知れないほど大きな喜びを与えています。
自分を見つけ独立しての旅は、勤め先の同僚やクリンゴン語で話してくれる親切な警察官などスター・トレックファンによって支えられます。
スター・トレックは、ウェンディに勇気、アイデアも与えてくれました。
ウェンディはスポックに深く共感しています。
エンタープライズ号に乗る地球人とヴァルカン星人のハーフであるスポックに共感する発達障害の人はウェンディに限らず少なくありません。
そして、より人間らしくなりたいと願って振る舞うアンドロイドのデータやディスカバリー号のティリーに共感する人もいます。
発達障害の仲間たちと、まわりの世界への理解について話をするときには、私はスター・トレックの話を持ち出すことでより深く理解してもらうことができました。
パニックになりそうなときにスター・トレックを見て落ち着けるという人もいました。
スター・トレックに発達障害の人たちが関心をもつのは、倫理的であり、多様な人を受容している、そして各エピソードに盛り込まれている正義です。
発達障害でジャーナリストのサラ・ルターマンはこう言っています。
「まわりの誰もが他の人とは違うスポックの視点を受け入れています。
正しいことから逸脱しない存在として扱われています」
発達障害のファンであるリーナ・ハクは、スター・トレックがいつも「平等」の重要性を教えてくれることが大好きだといいます。
発達障害のように思われる乗組員も、公平で正義のある世界で仲良くやっていて、それは自分たちにとっても住みやすい世界だと考える発達障害の人たちはたくさんいます。
私もスタートレックを見ていると、発達障害の人たちが多くのそうでない人たちにも受け入れられている世界に住んでいるような気分になれます。
こうした希望を胸に、すべての発達障害の人たちに「長寿と繁栄を!」
(出典・画像:米STAR TREK)
気づけば、映画「500ページの夢の束」の公開からもう1年半以上も経ったのですね。
スタートレックのファンとまでは言えない私でも、本当に楽しめて素晴らしいと思った映画です。
監督さんにインタビューさせて頂けたことも貴重な体験でした。
500ページの夢の束・感想レビュー&監督インタビュー
(チャーリー)
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