- ロボット教師が子供たちの学習やコミュニケーションにどのような影響を与えるのか?
- 自閉症や発達障害をもつ子供たちにとって、ロボットとのやり取りはどのような意味を持つのか?
- 学校や家庭でのロボット教師の活用方法にはどんな工夫が必要なのか?
ミロが数学が好きですと言うと10歳のマイケル・ルイスは大きな笑顔になりました。
ミロとマイケルは好きな先生のことやしたいことについて話し合います。
マイケルは前かがみになって熱心に質問して、ミロが答えるのを待っています。
まるで生徒たち同士のやりとりのようですが、ミロは生徒ではありません。
ミロは身長60センチの先生です。
発達障害である自閉症の生徒の作業療法や言語療法を助けているロボット先生です。
ミロの表情はとてもリアルで、はっきり感情を伝えることができます。
自閉症の子どもの多くが他の人の気持ちを理解したりアイコンタクトをするのに苦労しているといいます。
言語療法士のシラ・ハーシュは生徒たちが、ミロの表情から感情をよく理解できることに驚いたといいます。
学校でのミロの学習は家庭にも影響を与えています。
エドウィン・ベレスは9歳の息子のギャビーが家にかえってくると、ロボットの話をし始めるようになったといいます。
「ロボットのおかけで、私たちとたくさん話すようになりました」
ギャビーはミロとの時間が大好きです。
ミロからの質問について考えて、大きな声で答えながら、ミロにつながったiPadをタップしています。
12歳のトマス・アルバレスはミロとのレッスンを終了すると、特別支援のアリッサ・フォルテ・レイノルズ先生に振り向いて、別のレッスンをしたいとお願いしています。
ミロの青いプラスチックの体を触りながら、レッスンを楽しんでいます。
アリッサ先生は、多くの生徒たちがロボットのおかげで授業に熱心に取り組むようになったといいます。
「生徒たちはソーシャルスキルを、ロボットのおかげで負担を少なくして学ぶことができています。
アイコンタクトの練習をする場合などには、人が行うと生徒たちはとても怖く思う可能性があるからです。
ロボットであれば、そう思うことがなく、練習や理解がしやすくなります」
ミロの購入には約6300ドル(約70万円)かかりましたが、寄付金によって賄われました。
ロボットのミロは特別支援を必要とする生徒たちにとって万能な存在ではありません。
教師たちは、ミロを生徒たちとの授業にうまく活かす必要があるといいます。
「ミロの顔を見て、そして生徒がiPadで答えられるようにしなければなりません。
iPadの操作も難しい生徒もいます」
言語療法士のシラはこう言います。
「子どもたちはミロに夢中です。夢中になれば、子どもたちはよりよく学ぶことができます」
ロボットのミロは主に小学生に利用されていますが、特別支援学校の高校生の生徒たちのコミュニケーションスキルの学習にはSiLASというテクノロジーが利用されています。
重要なスキルを学ぶために独自の脚本を作ることができ、生徒たちは自分のアバターを選択して演じることをゲームのように行なえるものです。
ケイティとマークはX-Boxのコントローラーを利用して、SiLASのアバターの動きや表情を操作することで、友だちを作り会話することができました。
この間のやりとりは動画に保存することができるため、再生してクラス全体でそれを見て学ぶことができます。
SiLASを使っている特別支援のロン・ラクサマナ先生はこう言います。
「本当にたくさんの生徒たちの成長を見ることができています。
生徒たちはこうした学習を楽しんでいて、社会的スキルが向上しています」
(出典・画像:米northjersey.com)
もう随分と米国では特別支援教育の場でロボットが活躍していることをお伝えしてきました。
しかし、日本ではあまりまだ見聞きしませんね。
自閉症スペクトラム障害の子が30日間ロボット利用で劇的に改善
(チャーリー)