- 自閉症の女児は男児に比べて平均して1.5年遅れて診断されているのか?
- 自閉症の人は体や精神の病気を併発していることが多いのか?
- 自閉症スペクトラム障害の症状や診断に関する重要な傾向が分析されているのか?
米ロードアイランド州自閉症研究治療協会が、1000人を対象に分析した研究では自閉症の女の子がそう診断されるのが男の子に比べて平均で1年半遅れています。
また、自閉症の人は体や精神の病気を併発していることも多いことがわかりました。
ロードアイランド州自閉症研究治療協会(RI-CART)が1000人の参加者を初めて募集し分析した新しい研究により、発達障害である自閉症スペクトラム障害の症状と診断の重要な傾向がわかりました。
この研究は”Autism Research”で発表されています。
最初の発見は、自閉症の女児が男児よりも平均してほぼ1.5年遅れて診断されることでした。
まず、自閉症の最初の兆候として親や臨床医が言語の遅れに気付く傾向があります。
そのため、女の子たちが男の子に比べて高度な言語能力を示したためである可能性が高いと研究著者のスティーブン・シェインコップとエリック・モロー博士は述べています。
「自閉症は男の子のほうがはるかに多いです。 RI-CARTの研究では自閉症の女の子の4倍以上の自閉症の男の子がいました。
今回の研究では参加者が多いことから、自閉症の少女を評価するのに十分なものとなりました。」
米ブラウン大学の分子生物学、神経科学、精神医学の准教授であるモロー博士は、自閉症の女の子の診断が遅れていることの発見は、医療現場で重要なものになるといいます。
「自閉症にある程度の効果が認めら主要な治療法は、早期診断と行動療法を含む集中した療育です。
したがって、女の子の診断が遅れてしまうことは、療育が贈れることにつながります」
ブラウン大学の精神医学と小児科の准教授、シェインコップは早期診断の重要性を強調しました。
「私たちは、女の子に対する自閉症の認識を改善する方法を考える必要があります。
これらの女の子たち言葉の遅れはありませんが、社会的コミュニケーション、社会的遊び、社会への適応に困難があるかもしれません。
また、広く診断を行うことを考えれば社会的適応のより微妙な要素に関する支援を必要とする可能性のある子ども向けに適切に設計されるように療育についても再考する必要があります。
子どもたち個々のニーズに応えるために、療育方法を改良する必要があるでしょう」
今回の研究を行ったのは、イーストプロビデンスのブラッドリー病院を拠点とするRI-CARTのチームです。
ブラウン大学、ブラッドリー病院と女性と乳児の研究者間のパートナーシップである官民連携の研究チームとなります。
さらに今回、研究チームは自閉症コミュニティのメンバー、家族、特に自閉症の家族支援サービスである自閉症プロジェクトと協働して行いました。
それにより、米ロードアイランド州の自閉症の子どもの20パーセント以上が研究に参加しています。
また今回の研究で、自閉症の人が精神医学的や医学的な疾患もかかえていることが多いこともわかりました。
参加者のほぼ半数が別の神経発達障害(注意欠陥/多動性障害(ADHD)または知的障害)でした。
44.1パーセントの人がが精神障害を報告し、42.7パーセントが神経学的状態(発作/てんかん、片頭痛、チック)を報告しました)、92.5パーセントが少なくとも一つの病気をかかえ、1/3近くが行動上の問題があることを報告しています。
「自閉症の人の多くは一般的な精神医学的および感情的な課題に対する支援も必要としています」
そうシャインコップは言います。モローは今後の研究についてこう言います
「自閉症が発達障害であることを考えると、この分野は本当に縦断的研究に焦点を当てる必要があります。人々の発達と成長について今後も追跡します。
幼い年齢の子どもたちが成人になるまでの発達を知ることで、より多くのことを学べるはずです」
(出典:米ブラウン大学)(画像:Pixabay)
自閉症の症状に男女差があることはこれまでにも伝えられています。
また、他の困難も同時にかかえることが多いことも。
適切な支援にはこうした確かな研究が必要です。
性同一性障害と自閉症スペクトラム障害を同時に抱えることは多い
(チャーリー)