- ホールに集まる生徒たちは何を目的にここに集まっているのか?
- この地域の伝説のネコをフィーチャーしたTシャツや地図に関連したペンダントの商品プロジェクトは誰が考案し、なぜ進行しているのか?
- 製品に付いているステッカーやシールには何が書かれていて、なぜそのような取り組みが行われているのか?
米コネチカット州にあるウェストハートフォード高校のホールに放課後の生徒たちが集まっています。
バックパックを床に置いて、椅子に座るとおしゃべりして笑い、まさに10代の若者を代表する姿です。
しかし、遊びではなく大きな目的があってここに集まっています。
2年前に設立されたウェストハートフォード・ユニファイドビジネスクラブのメンバーは、仲間の特別支援を必要とする生徒たちがスモールビジネスに関わる基本的なスキルを身に着けて、高校を卒業した後に生産的で充実した生活を築けるようにと集まっています。
ここに集まった10人のうち、ケビン・クーンとウェラー・シモンズの二人はコミュニケーションやその他のスキルに影響を与える発達障害の自閉症をかかえています。
このクラブは、ダリン・ボアとウェラーの母親のノリンが作りました。
ノリンはこう言います。
「米ドレクセル大学の2015年の研究によれば、発達障害の自閉症の成人の90パーセントが失業しています」
自閉症の18歳の息子、ベンをもつダリンが、高校生の頃から参加できて高校卒業後もサポートを受けられるこのプログラムを作り始めました。
「大学のインターンだけでなく、高校生の頃から参加できるプログラムによってビジネススキルの改善、コミュニティとのつながりをもてるようにしたいと考えました」
このクラブに参加する高校生であり会長であるハンター・マロットがこの地域の伝説のネコをフィーチャーしたTシャツを見せました。
このTシャツは地元のショップで販売しているものです。
Tシャツを折りたたみ、パッケージングすることに高校生たちは取り組んでいます。
このTシャツのデザインに関わった、ジュリー・フィリップスはこう言います。
「このクラブの取り組みは素晴らしいと思います。地域のコミュニティにも、子どもたちにも」
もう一つ、この地域の詳細な地図が入っているペンダントの商品プロジェクトも進行中です。
これは障害をかかえるウェラーがもつ地図へのこだわりから生まれました。
ボアはこう言います。
「ウェラーは住所や道、頭の中に地図があるように記憶しています。
ウェラーは家族と一緒に年に一回はワシントンにいくのですが、ウェラーはすべての出口と道を記憶しています。
小学校のころの同級生の住所を暗唱することもできます。
こうしたウェラーの強みを活かした、地図にかかわる商品です。
他のクラブのメンバーと一緒に取り組むことで、ウェラーは仕事のスキル、社会的なスキルも身に付きます。」
この取り組みで作られる製品のすべてに「お買い上げありがとうございます!」と書かれたステッカーが付いています。
「誰によってこれらが作られたのかを知ってほしいと思っています。
名前を書くことのできないメンバーは、顔と名前がわかるシールをつけています。
こうして知ってもらうことで、
ここで取り組むメンバーたちが高校を卒業した後の成功のきっかけになってほしいと願っています」
生徒でありクラブの会長であるハンターはこう言います。
「このクラブは、学校によくあるクラブとはまったく違います。
何ができるか、そうしたことに関係なく一緒にいることができるのがいいです。
みんなここにいたくて、ここにいます。
情熱をもってビジネスを始めることに役立っていて、魔法の場所です」
(出典・画像:米Hartford Courant)
障害をかかえる人が理解ある仲間たちと楽しいだけでなく、自分の将来に役立つことを共同して取り組んでいく。
素晴らしい取り組みだと思います。
それは、参加している障害をかかえない人にとってもきっとそうです。
どこにも雇われなかった発達障害の青年は起業し社会スキルも育つ
(チャーリー)