- 発達障害や自閉症の原因は魔術によるものですか?
- 発達障害や自閉症の子どもを持つ親ができる正しい対処法は何ですか?
- 専門的な医療支援はどのようにして受けられますか?
ディナ・ドゥンベ・ロードとエリック・ビレ・マソウケは発達障害の自閉症です。
彼らが住んでいるカメルーンでは、ほとんどの人が発達障害は魔術の犠牲によるものだと信じています。
親たちは助ける方法を探すなかで、伝統的または神秘的な解決策ばかりだったといいます。
発達障害の自閉症は、社会的スキル、反復行動、スピーチ、および非言語的コミュニケーションスキルに関する課題を特徴とするさまざまな状態を指します。
エリーゼ・ドゥンベは、今は30代になっている娘がまわりの人たちから偏見の目で見られてきたといいます。
「夫と私も魔術によるものだという考えに屈したくありませんでした。
しかし、私たちの周りの人たちから、娘の状態の原因はそうした神秘的なものだと考えるようにいわれ、最初の頃はこのあたりでは伝統的な治療者に委ねるしかありませんでした」
アグネス・ビレも、息子と困難な時期を過ごしました。
息子が生まれてから、宗教関係者やこのあたりの伝統的な医師からの魔法的な対応がされるばかりでした。
「彼らは私の息子は魔術の犠牲者だと言いました。
私がそれを信じることを拒否すると、そう信じない私と夫がそうなっている原因だと非難しました。
私たち家族がそうした治療を拒んだことで、多くの人から、私たち家族は神の前にさらされることを拒否しているのだと言われました。
つらいときでした」
時がたって、やっと彼らはこうした迷信や偏見を乗り越えて、きちんとした医療的な支援を受けることができました。
「さんざん言われましたが、私の子どもの発達障害の原因が魔術によるものだと証明できる人はいませんでした。
そんな証明できるとは思えません」
専門家は、自閉症を取り巻くこうした迷信が多くの家族の生活に影響を与えているといいます。
「カメルーンでは、発達障害の自閉症を、魔法的および宗教的にとらえることが未だ多くあります。
自分で専門家と名乗る人たちでさえ、正しく理解し対処できていません」
支援センターのディレクター、アグネス・ユームはカメルーン政府当局に対して、すべての人が手頃な価格で利用できる専門施設を作ってほしいと望んでいます。
「政府は発達障害の自閉症の人に対して適切な療育を行える環境をつくる必要があります。
親たちや医療関係者にもそれは必要です」
世界保健機関によれば、世界全体では160人に一人の子どもが自閉症スペクトラム障害をかかえています。
遠く離れたアフリカの途上国の話だと一笑するかもしれません。
ですが、これだけ医療が発達している日本でも、同様な話を聞いたり、囁かれたりされた人も少なくないはずです。
「魔術」でなくても前世とか因縁とか霊とか、で。
そのためにはお布施とか壺とか。
本当に困っている、不安なときにこそ、
多くの時間をかけて多くの人たちが学び研究をし、お互いに批判的になってきちんと検証し、多くの人にとって効果があるものとして認められた、科学的な正しい医療を頼ってください。
(チャーリー)