- 自閉症や発達障害を持つ若者が自立するサポートは不足しているのか?
- 自閉症や発達障害を持つ若者の自己決定能力向上にはどのような支援が必要なのか?
- 自閉症や発達障害を持つ若者の強みを活かす方法はどのようなものがあるのか?
大きくなって、自立する。
それは未成年であれば誰でも不安に思うことです。
発達障害の自閉症スペクトラム障害の子と介護者であれば、思春期から成人になるまでの間は特に困難なことに思えるかもしれません。
米ミズーリ大学の研究チームは、思春期の早い段階で個人の目標を設定し、その目標を達成する機会を提供することで、自閉症の人たちの自立を助けることに取り組んでいます。
この新しい研究では、健康科学部のナンシー・チーク・ザモラ准教授と米トンプソン自閉症及び神経発達障害研究センターの研究員らが、自閉症の若者の自己決定能力を測定し、自立に向けたより良い支援を行えるようにしました。
「介護者が提供するサポートと、若者がより自立するために行おうとしていることの間に断絶があることがわかりました」
そうザモラ准教授は言います。
「思春期の若者、特に障害のある人はより早い段階で、今までよりも大きな責任を与えられ、目標について尋ねられ、それを達成するための支援に必要なリソースと支援システムがもっと提供される必要があります」
ザモラ准教授は米国内の5つの自閉症の専門施設と提携し、16歳から25歳までの自閉症の人の介護者、500人以上について調査を行いました。
その結果、自閉症の若者の多くが自立することに苦労をしていました。
ザモラ准教授は、自閉症の若者の自己決定能力を高めることは、何を達成できるかについての認識を変えることから始まるといいます。
「自閉症やその他の発達障害をもつ人たちが直面している、できないことや課題に注目するのではなく、できることや長所について考えるのです。
そして、それぞれの人が持つ強みを活かす方法を作るのです。
例えば自閉症の人の多くは、とても細部にこだわります。
それであれば、とても細かい作業が求められる雇用機会について考えるのです。
そうした仕事であれば、もっている強みが活き、成功しやすくなります。
それは、その人だけでなく社会全体の利益になります」
ザモラ准教授は、親たちや介護者が、発達障害の人たちを含む全ての青少年に、料理、買い物、お金の管理などを行う機会を与えることを推めています。
この研究は”Autism”に掲載されています。
できないことより、できることを。
苦手なことより、得意なことを。
発達障害の子に限った話ではありません。見つけて伸ばすことが社会にとっても良いことになります。
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(チャーリー)