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自閉症スペクトラム障害と大人になってから診断される人が増加

time 2019/11/30

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症スペクトラム障害と大人になってから診断される人が増加
  • 大人になってからASDの診断を受ける理由は何ですか?
  • 昔はASDの診断が少なかったのはなぜですか?
  • ASDと診断されることでどんなメリットがありますか?

自閉症スペクトラム障害(ASD)は子どものときに診断されるものと考える人も少なくありませんが、大人になってから診断される人は増えてきています。

医師や家族、みんながこのことを知っておくべきでしょう。

米カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)SEARCHセンターには、発達障害の診断を初めて受けたいと大人からたくさんの問い合わせがあります。
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ASDの診断を求める大人が増えてきているのはなぜでしょうか?

その答えは、過去の診断で使われていた診断マニュアルの不明瞭な記述によるものと考えています。

1980年より前は、DSMとして知られている診断マニュアルにはASDは定義がされていませんでした。
小児統合失調症の一部に、該当しそうな記述があるのみでした。

現在では、小児統合失調症とASDは全く異なるものであることがわかっています。

1980年に公開されたDSMの第三版で、次のようにASDは定義されました。
・他の人への応答の欠如
・言語発達における重度の障害及び、または独特の発話パターンがある
・環境に対する奇妙な反応(こだわりなど)
そして、これらの症状が生後30ヶ月内に現れることとしています。

現在のASDの定義により近くなっていますが、それでも詳細が欠けています。

そのため、1980年より前に生まれ、現在ASDをかかえていると考えられる(知的障害がある人はのぞく)多くの大人が子どもの頃にASDと診断されなかったことは全くあることでしょう。
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そして、私たちのセンターではおもに3歳から12歳の子どもを診断してきましたが、大人たちが来るようになって、どうして大人たちが診断を求めるのか理由をたずねました。

新しい調査では、最近ASDと診断された50歳以上の9人が対象となりました。

理由は主に次からなっていました。
・ASDの症状が自分にあると思っていたから
・まわりの人とと自分が違うから
・ASDと診断をされるとサポートを受けられるなどメリットがあるから

ASDと診断をされると大人は感情が混ざり合っていました。

ある人は安心した、今まで経験してきた困難の理由がわかったといいました。
一方で、ショックを受けた、これまでとは違う新しい現実に向き合わなければならないという人もいました。

ASDと診断されたことで、自分を説明できるようになった人、自信をなくした人がいました。

そしてASDの大人は、ほとんどのASDの人向けのサービスは子ども向けであるために、見過ごされていると感じています。
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私が接した大人は正しい治療を受けるために、セラピストからの勧めでASDの診断に来ていました。

例えば、セラピストが不安障害と考えた場合には、他社によって否定される恐怖に対処するための認知行動的なアプローチを行うでしょう。

ASDと考えた場合には、社会的スキルを向上させるための具体的な方法を教えるでしょう。

このようにASDと診断されるかどうかで、セラピストが行う治療が大きく異るためです。

大人になってからのASD診断は、困難をともなう結果になるかもしれませんが、それでも正しい診断が役に立つ可能性があります。

より多くの大人が正しく診断されること、大人たちが診断を受けやすくなることを願っています。

米カリフォルニア大学リバーサイド校 助教授 キャサリン・スタブロパラス博士

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

必要な方に適切な支援がされることを願います。

正しく診断されるようになって、増えたのであれば、それは良いことだと思います。

自閉症と診断された母は72歳。もっと早く診断されていれば

(チャーリー)


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