- 自閉症スペクトラムの人が職場で成功するために、どのような支援が必要ですか?
- 上司や同僚が自閉症スペクトラムの人をどうサポートすれば良いですか?
- 仕事に戻る際のサポートを受けるにはどうしたら良いですか?
自閉症スペクトラムの多くの人は雇用されていません。私は幸運な一人です。
幸運だといっても、良いことばかりではもちろんありません。
忍耐、血、汗、涙の経験がたくさんあります。
うまくできたことのすべてが私の努力のせいだと考えていません。
私の同僚(無知な少数の人を除く)と上司の支援がなければ、私は今の仕事はできていないでしょう。
私がもっとも感謝をしている上司はリンダです。
リンダはもともと別の部署の人でしたが、そのときからいつも私に親切でした。
リンダは1年半前に私の上司になりました。
リンダが上司になる前のことです。
私は不安症とうつ病もかかえ、自閉症の特徴的な行動も隠すことができませんでした。
リンダは不安症の発作や自閉症によるパニックなどのときにも私を助けてくれました。
医師やセラピストによる必要な支援を受けることができるようにしてくれました。
リンダは私のために他の人と闘い、私を守ってくれました。
精神的な健康状態が悪化し、身体の健康にも影響が出てきて、自殺の危険性までできた時期が数ヶ月続き、私は休み必要がありました。
その間、適切な対処方法を学び薬も飲みました。
この間、私と連絡をとる唯一の人がリンダでした。
数カ月後、私が仕事に戻るとリンダが上司になったのです。
その日のことを私はわすれません。
リンダは私に励ましの言葉をくれました。
長い休みから戻って、私はこれまでに培ったスキルがなくなってしまったように感じました。
仕事を続けるのは難しく感じましたが、私はすべてをこなして、またいろいろ憶えました。
うまくいきました。
聖人のようなリンダの忍耐もあって、わたしは再び仕事ができる人になれました。
●リンダは私に怒鳴ったり、声を上げるようなことはありませんでした。
たとえ私に向けてでなくても、大声は私にはつらいものです。
●リンダは私にイライラするこはありませんでした。
私を信じてくれていました。むしろ私が私にイライラしていました。
何度も同じ質問をリンダにしたり、パニックを起こしたり。
●「3歩進んで、2歩下がる、そしてまた1歩進む」
リンダのお気に入りの言葉です。
私が自分にイライラすると、リンダはいつもそう言いました。
「一ヶ月前を思い出して。今、自分がどんなにできるようになったかを見て」
●リンダは時間をかけて説明をしてくれました。
ゆっくりと何度も私のためにしてくれました。
私が理解する時間を与えてくれました。
毎日、タスクをリストにして私が順調にできるように助けてくれました。
今は自分でリストを書くことを学びました。
リストのおかげでうまくできます。なのでリストに書きます。
●自閉症の一般的な特徴の一つに細部へのこだわりがあります。
全く重要でないタスクにこだわって、残りのタスクを忘れてしまうことがあります。
私はリンダから教わって、全部を見てから優先順位を付けて行うことができるようになりました。
「今はそれじゃなくて、これをすぐやって」
リンダがそんなふうに言うことはありません。
リンダは自分で考えて行えるように提案してくれます。
●私の同僚は、行動と一致しないことを言ったり、嘘を言うので私は本当に悩みました。
リンダはそうしたことがありません。XであればなぜYになるのかを喜んで教えてくれました。
スピードは遅いですが、私はそう考えられるスキルもついてきたと思います。
●リンダは私の強みを知っていました。それをうまく活かしてくれます。
私はものごとを数えたり、分類したりすることが得意です。大好きです。(まさに自閉症です。)
在庫を分析するときは最高です。
リンダも正確な数字を得ることができます。
リンダは販売数の改善や何か変更したいときには私に考えをたずねます。
私は次の日には、10ページ程度にまとめて提出します。
リンダは私が得意なことを把握しています。
●リンダは私がパニックになりそうなときがわかります。
どうしてわかるのかは、私にもわかりません。
リンダにはそれできるので、パニックを起こして家に帰る必要をなくし、私を仕事に戻れるようにしてくれます。
●リンダは私を人としてきちんと大切にしてくれます。
私はずっといじめられてきました。家族以外に仲の良い人はいませんでした。
なので、私と私の幸運に優しくしてくれたリンダは、会社の上司を超えた異質な存在です。
私はリンダを完全に信頼できます。
リンダも私を完全に信頼してくれることを望んでいます。
私は気兼ねすることなく、一緒にいることができます。
私たちはジョークを言って、お互いにふざけたりしています。
「上司と友達になるなんてありえない」
そう言う人は多いですが、私は全く違います。
私はリンダの指示に従い、指示通りに問題なく行えます。リンダの他の部下たちよりも私は多くリンダの仕事ができます。
そして、私はリンダと友達であることが本当にうれしく思っています。
子どもの頃に理解できなかったことが、今理解できています。
私は他人の感情についてよくわかっていませんでしたが、今はわかってきました。
リンダが動揺したり、イライラしたときもわかります。
そんなときにはお茶をもっていきます。
そして私達の間では、私は与えることよりももらうことが多いと感じていますが、リンダが私にすごく感謝をしてくれていることもわかっています。
リンダの助けとサポートがなければ、今、私はこうして仕事はできていないはずです。
仕事に戻れたとは思えません。
リンダへの感謝を示す適当な言葉が見当たりません。本当にありがとう。
(出典:米THE MIGHTY)(画像:Pixabay)
リンダ最高。
発達障害の人には他の人と同じことを求めず強みを発揮してもらう
(チャーリー)