- 発声の大きさをコントロールすることに困っている障害を持つ人や子供が、どのような支援が必要なのか?
- 一般の人々が、障害を持つ人や子供が発声の大きさをコントロールする際に気をつけるべきことは何か?
- 身近なテクノロジーを活用して、発声の大きさをコントロールする方法を提案できるものは他にあるだろうか?
スコット・ベネットは息子のサムが大声をあげるのを防ぐことに困っていました。
21歳のサムは発達障害の自閉症です。
59歳のスコットはこう言います。
「息子は声の大きさを変えることができないのです。
ずっと苦労してきました」
サムは、声の大きさを抑えるようにいうと、小さくすることができますが、すぐに大声になってしまいます。
「私たちは外に出かけることがなかなかできません。
まわりの人からずっと見られてしまいます。
家族にとってもそれはつらいことです。
多くの人はまわりの状況にあわせて声の大きさを変えますが、それができないのです。
息子は騒々しいのです」
スコットがApple Watchの画面をスクロールさせて偶然に見つけたもので、それが変わりました。
スコットは周囲の音の大きさ、デシベルを測定するアプリを見つけました。
それは、まわりの音が大きくなると色が変わり、あまりに大きくなると黄色で点滅します。
「サムと一緒にこれを使ってみよう。
どうしてもっと早く気づかなかったのか」
スコットはそう思ったそうです。
「息子はすぐにそれに興味をもちました。
自分の声を使って、反応を確かめました。
そして、静かに話し始めました」
それを見ていた母親のクリスティも信じられない様子だっといいます。
それから数週間、サムはApple Watchを見て自分の声の大きさを調整できるようになりました。
「それは私たち家族にとって、大きな進歩になりました。
これなら、いつかサムをゴルフトーナメント観戦に連れていけると思います。
サムはゴルフが大好きなんです。
サムはタイガー・ウッズのバッグスウィングを想像するだけで大声をあげていました。
それでは、追い出されてしまいますから」
父親のスコットはサムがもっと小さな頃から、こうして声の大きさを変えることができていたらと思いました。
そこでスコットは同じように特別支援を必要とする子をもつ親のFacebookグループをつくり、このことをシェアしました。
同じようにこのアプリを試したいと100人以上の人が興奮してコメントをもらったといいます。
「発達障害の人たちは500万人以上います。
みんな一人ひとり同じではなく、さまざまな問題をかかえニーズをもっています。
そうした人たちがすべて、身近なテクノロジーを活用できるとは限りません。
たまたま私はApple Watchのアプリを見つけたことで、私たち家族は大きく助けられました。
そして、Apple Watchだけでなく私の息子のような人が恩恵を受けられるテクノロジーは他にもあるかもしれません。
私はそれをみんなに共有していきたいんです」
(出典:米People)(画像:Pixabay, Apple)
特別な機器やソフトウェアでなく、ふだん当たり前に使っているスマホやアプリでもちょっと気づけば、発達障害の方やお子さんにとても役立つ使い方があったりするかもしれませんね。
面白がってくれるのなら、スマホなど好き勝手に使えるようにしばらく預けてしまうのも手だと思います。
(チャーリー)