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自閉症の子の3人に1人は運動障害もかかえているという研究結果

time 2019/11/10

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子の3人に1人は運動障害もかかえているという研究結果
  • 自閉症の人に運動機能に関する困難があるのか?
  • 医師は自閉症の診断時に運動能力についてどのように質問すべきか?
  • 運動機能の問題を持つ自閉症の子どもたちにどのようなサポートが必要か?

2000人以上の子どもを対象にした研究調査によれば、発達障害の自閉症の子の3人に一人以上が運動機能に困難をかかえています。しかし、運動機能に問題があることをきちんと診断されたのは1パーセント程度のみとなっています。
今回の研究によれば、自閉症の人たちの多くが運動機能に困難をかかえていても見過ごされてきたことを示唆しています。
「これは医師が意図して行った結果ではないでしょう。
自閉症の核となるような特徴にばかり目を向けてきたからでしょう」
そうオーストラリアのテレソン子ども研究所で自閉症の研究を行っているアンドリュー・ホワイトハウス教授はそう言います。
自閉症の人たちの運動機能に関わる困難、運動障害については古くから記述されています。
自閉症の人の約50パーセントから80パーセントは不器用であったり、歩行が正常でなかったり、何らかの運動の問題をかかえていることは報告されてきました。
「自閉症の子どもの運動障害については長く議論されて来ましたが、今回の研究ほど多くの参加者数での研究はありませんでした」
そう、今回の研究には関与していない米テキサス小児病院自閉症センターのロビン・カチェルは言います。
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今回の研究で、知的障害の人に運動障害が見られることが一般的であるのと同様に、自閉症の人にも一般的なことであることが示されました。
また、知的障害についての診断で、運動障害の状態を利用するのと同じように、運動障害が自閉症の診断にも使えるものだと考えられます。
今回の研究は、運動障害の状態を正しく評価に使うべきという呼びかけになるものだと、米ピッツバーグ大学の心理学のジャナ・アイパーソン教授は言います。
「運動能力についてかかえる困難は、自閉症の人では本当に一般的です。
自閉症の診断にかかわる、非常に重要なことなのです」
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今回の研究ではホワイトハウス教授の研究チームは、6歳以下の自閉症の子ども2084人の自閉症の診断評価の記録を分析しました。
研究チームは”Vineland Adaptive Behavior Scales”と呼ばれる標準的な親向けのアンケートのスコアを使用して、子どもの運動能力を評価しました。
子どもの35%が運動能力「低い」ことがわかりました。これは、同年齢の典型的な子どもよりも少なくとも2標準偏差が低いことを意味します。
44パーセントの子どもは、標準より1標準偏差低いと定義されている「すこし低い」運動能力でした。
2084人の自閉症の子どもの中で、脳性麻痺や筋緊張低下などの運動状態の診断を受けていた子どもはわずか24人だけでした。
「私たちはその発見に非常におどろきました」
ホワイトハウス教授の研究チームの研究員であるメリッサ・リカリはそう言います。
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「標準的な自閉症の診断においては、運動機能の問題は見過ごしています」
研究チームは、言葉や動きを繰り返す自閉症の子どもは、他の自閉症の子どもよりも運動スコアが低い傾向があることも発見しました。
この発見は、自閉症の反復行動と運動発達が何らかの形で関連していることを示唆しています。
研究チームは、今回の研究対象の2084人の自閉症の子の約半数については、知的能力に関するデータを持っていました。
知的障害のある子どもは、知的障害のない子どもよりも運動障害を抱えている可能性が高いことも発見しました。
「親は運動機能についての問題について医師に伝えないため、自閉症の子の多くがかかえている運動障害が見過ごされてきた可能性がある」
そう、米テキサス小児病院自閉症センターのロビン・カチェルは言います。
自閉症の診断時には、医師から親へ運動能力について聞く必要があるかもしれません。
今回の研究を行ったホワイトハウス教授は、自閉症の子の運動障害の種類についてのデータを収集し、運動の問題を軽減する治療方法について研究を進める予定です。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子も走ったりすると、左右対称ではありません。
特別支援学校で子どもたちを見ても、そういう子は少なくないように思います。
新しい発見というよりも、やっぱりそうだろうという再認識的なものに思いますが、適切なサポートが行えるようにこうした研究は本当に大事だと思います。
自閉症の人の多くにロボットのような歩行など運動機能の問題も

(チャーリー)


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