- ストレスが引き起こすネガティブな感情を抑える方法はあるのか?
- 発達障害や自閉症スペクトラム障害の人が使える呼吸ペースメーカーはどのように効果的なのか?
- 個々のニーズに合わせた、自閉症スペクトラム障害の人を支援するためのデバイス開発はどのような成果をもたらすのか?
米スタンフォード心理生理学研究所のWehab Labでは、望ましくない感情が起こされてしまう人の精神的な健康や感情調節の問題を助けるための、触覚による呼吸ペースメーカー(HBP)の開発に取り組んでいます。
これは、振動を感じさせることで呼吸を整えさせ、ストレスの多い状況下でのパニックの発生を減らすものです。
研究を行っているパーディス・ミリは、それぞれの人たちにストレスを対処できるよう助けることが重要であるといいます。
「日常生活の中でパニックを起こしてしまうことがないように助ける技術の開発に、私は取り組んでいます。」
誰でもストレスによってネガティブな感情が引き起こされます。
ある人だけに限ったものではありません。
「これまでの技術は、発達障害などでない人たち向けに設計されたもので、ほとんどが有効性について十分な評価もされていません。」
パーディスによれば、これまでに開発されてきた技術は使うそれぞれの人向けに合わせたものにはなっていません。また、発達障害などの人が使うことも想定されていませんでした。
パーディスは利用するそれぞの人に合ったもので、そして目立つことのない、呼吸ペースメーカーのプロトタイプを開発しました。
そしてそのプロトタイプで、発達障害の人たちを助けるものになることを確認できたと言います。
「私たちの調査結果では、発達障害の自閉症スペクトラム障害と診断された人のパニックを軽減させることが示唆されました。
自閉症スペクトラム障害の子どもたちが、パニックが起きないようにうまくできるようになることは、成長に大きな良い影響を与え、深刻な健康問題も防ぐことができるはずです。」
呼吸ペースメーカーのプロトタイプから得たデータを、一緒に研究を行っているホリア・マーガレットが機械学習を用いて分析しました。
「2017年に自分が公開した方法を利用しました。
これによって今回の研究を成功させることができました。」
現在研究チームは、自閉症スペクトラム障害の人を呼吸ペースメーカーがもっと助けられる、有効なものになるように注力しています。
「私たちの呼吸ペースメーカーによる方法は、自閉症スペクトラム障害の人にとって有望なものだと考えています。
私たちの目標は、自閉症の人たちがもっている強みを伸ばせるよう、障害になるものを減らす個人向けのこうした触覚を利用したシステムを開発することです。」
ホリアはこう言います。
「これは人それぞれにあわせたものを提供します。個別化医療です。
パーディスと私がこれまでしてきたことは、メンタルヘルス観点から個人レベルで人々を理解することでした。」
(出典:米The Stanford Daily)(画像:米スタンフォード大学 Wehab Lab)
押されたり軽く叩かれたり、そんな感じがするのでしょうか。
そんな感覚でパニックを起こしてしまいそうなときに呼吸を整えることを誘導し落ち着かせてくれるデバイスのようです。
スタンフォード大学のような確かなところでの、発達障害の人たちを助けてくれるデバイス開発はとても期待します。
(大昔に仕事でスタンフォード大に行ったことがあります。キャンパス内のお店で食べたラーメンが忘れられません。)
発達障害の人の不安状態を伝える装置が家族の生活も向上させる
(チャーリー)