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言葉を話せない自閉症の人の不安への対処のためにできること

time 2019/10/03

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

言葉を話せない自閉症の人の不安への対処のためにできること
  • 自閉症の人がかかえる不安にどのように対処すべきか?
  • 言葉を話すことができない自閉症の人の不安への対応はどのように進めるべきか?
  • 自閉症の人の不安への対処において、周囲の介護者や支援者の役割は何か?

発達障害である自閉症の人が不安をかかえると、さらなる困難をかかえてしまいます。

自閉症であるうえに、言葉を使うことができない人にとってはなおさらです。

自閉症の人がかかえる不安についての懸念は認識されてきました。
そのための治療方法の開発も進んできています。
しかしそれらの不安に対処することを助けるためのものの多くは言葉が話せる人向けになっています。

そのため、言葉を話すことができない自閉症の人の不安への対処はしばしば薬や行動療法に頼ることになりますがこれも多くは不安そのものへの対応ではなく、不安から生じる行動に対処するものです。

言葉を話すことができない自閉症の人への対応が不足していることは、かかえる不安の大きさやそれが成長に与える影響を考えるととても厳しいことです。

話すことができない自閉症の人の不安への対処については、次の点が重要となります。

・自閉症の人は高い割合で不安をかかえています。

・自閉症の人の不安へ対処する方法の多くは、話すことができる人に向けてのものです。

・しかし、話すことができない自閉症の人の不安に対処するためのステップはあります。
年齢、発達程度、好みによって詳細は変わりますが、次のようなステップになります。
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1.探偵になる

不安なときに見せる兆候を探します。
言葉を話すことができない人は、しばしば行動で自分を伝えようとします。

乱暴な行動はほとんどは意図的に行っているものではありません。
大きく圧倒されてしまった結果、行ってしまっていることです。

震え、汗、呼吸、脈拍などでも現れます。
注意してください。

不安をかかえていることがわかったら、何が原因かをつきとめて、それに対処するため措置を講じなければなりません。

人間はさまざまな理由で不安をかかえますが、自閉症の人によくある理由には、予想外の変化、コミュニケーションでの困難、ストレス、感覚過敏などがあります。

2.補助代替コミュニケーション(AAC)を利用する

言葉が話せないイコール、コミュニケーションができないということではありません。
わずかでも話せる人であれば他の方法でコミュニケーションがとれるはずです。

不安やイライラしたときの表現、しぐさを見つけてください。

電子支援デバイスを利用できる人であれば、不安、対処など関連する単語を登録してください。

写真などへの指差しも使えるかもしれません。

重要なのは、支援が必要なときにコミュニケーションが行える方法を一貫して教え、見つけることです。
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3.リラックスできる環境を用意する

自閉症の人の不安につながる原因の大きなものに、感覚過敏があります。

対処するために、刺激を避けられる心地よい環境が必要になります。
自然光、落ち着く音楽、防音壁、広々とした空間などが有効です。

4.快適になれるコト、モノを利用する

抱きしめたり、落ち着いた声をかけたり、ぬいぐるみやおもちゃ、落ち着けるグッズを渡すことで、苦しんでいるときに助けられることがあります。

まわりから遮断することで落ち着けるテントや、避難できる静かなスペースも有効です。

5.不安に対処する方法を教える

人によっては、深呼吸をする、ストレスボールを握る、手のひらを優しく押すなどがとても効果的です。

繰り返し繰り返しこの方法を見せて、教えます。
そして不安になったときには、これを行うように誘導します。

慣れてくれば、自発的に行えるようになります。
そうでないときには、教えた方法を利用するように促し、導いてください。

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6.介護する人のケア

自閉症であり言葉を話すことができない人は、日常生活上の困難、健康の問題、学習の問題、そして言語の困難など多くの支援が必要となります。

この支援を行うためには多くの時間とエネルギーが必要です。
親や支援者、その他介護に関わる人の精神的、肉体的余裕を奪っていきます。

親などがさらに不安へ対処することは困難な場合があります。
そのため、親などの介護に関わる人には感情面、経済面などでのサポートや休める機会を提供することが重要です。

これは結局、自閉症の人へのケアの質を向上させることにつながります。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

うちの子も重度の発達障害、自閉症で話すこともできません。

4月から学校が変わって、これまでにない異常な行動をとるようになりました。
たくさんの大きな不安、ストレスが原因だったのだと思います。

私も深刻に受け止めて認識を変えました、学校の先生も協力してくださいました。
その結果、最近はずいぶん治まってきました。
笑顔も少しずつ戻ってきました。

本人が笑顔で過ごせることが、本当に何より重要だと思います。

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(チャーリー)


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