- 1. パニックを起こしてしまう理由は何か?
- 2. 自閉症スペクトラム障害をもつ人がパニックを引き起こす原因は?
- 3. パニックを起こす状況やトリガーは何か?
発達障害の自閉症スペクトラム障害の人の多くはパニックを起こしてしまった経験があります。
多くの人の間違った理解とは違い、パニックを起こしてしまうことは問題のある行動と捉えるべきものではなく、
自閉症の人が圧倒されてしまうまわりの状況への反応です。
当事者であり自閉症の専門家であるマキシン・シェアは自閉症の人はそうでない人たちと知覚しているものが異なるためにそうなってしまうといいます。
感覚の過負荷、ため込んだ感情、変化への対応困難、それらにより起こってしまう結果です。
体と心で起きていることが処理できず、ある人は感覚が痛いものにまでなってしまい、泣き叫んだりしてしまいます。
過剰な刺激や社会的状況、何がパニックを引き起こす原因になるのか理解することは重要です。
発達障害である自閉症の人たちをサポートすることができます。
パニックを引き起こすものには次のようなことがあります。
1.ルーチン、いつものお決まりの変更
自閉症の人のほとんどは、次に起きることがわかっているときは快適です。そのためにお決まりの行動をします。
しかし、ときには物事が期待どおりには進まないためにストレスがたまります。
ルーチンを変更すると、大きな混乱をもたらし、パニックにつながってしまうことがあります。
2.たくさんの雑音、大きな音
自閉症の人の多くは感覚過敏です。
日常生活ではたくさんの情報が入ってきます。
見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる。
大きな音や雑音が多い場所は、入ってくる感覚を調節することが難しくなります。
3.新しい環境
新しい環境がパニックの原因になる理由はいくつか考えられます。
日常生活の変化、たくさんの見知らぬ人、発達障害について知らない人とのコミュニケーション、それらが大きな不安をもたらします。
新しい環境がパニックにつながってしまうことは言うまでもないでしょう。
4.人がたくさんいる場所
ショッピングモール、レストラン、人気の観光スポット、劇場、その他多くの公共スペースは人で混雑しています。
たくさんの人が集まる場所は、さまざまな強い感覚刺激をもたらします。
そのためにパニックの引き金になる可能性があります。
静かな混雑していないスペースがあると助かります。
5.基本的な欲求が満たされていない場合
食べること、飲むこと、眠ること、それらができていないと日常生活を過ごすことが困難になっていきます。
不快感や疲れが苦痛になっていき、パニックを起こしやすくなります。
食べる時間、眠る時間にパニックを起こすことが多いのそういう理由です。
6.発達障害、自閉症への理解がない場合
発達障害でない人の多くは、発達障害、自閉症の人を受け入れる方法を知りません。
そのために多くの人が、自閉症の人がまわりにあわせることを期待します。
それが自閉症の人を困らせます。
多くの社会的なやりとりが必要となる職場などで起きるそうしたミスマッチは、パニックを起こしてしまう理由に簡単になります。
7.感覚過負荷
感覚に関係する問題は自閉症の人たちの特徴です。
光や雑音が多すぎる、同時に起きていることがたくさんすぎる場合が問題となります。
そのため動物園、劇場などに感覚に優しい、静かなスペースが設置されはじめています。
8.特定のトリガー
パニックを起こす原因が、とても特殊、気づかないようなことであることがあります。
いつもとほんの少しだけ違った、気にもとめなかったある言葉、ある野菜の食感、ラジオでかかったある音楽などです。
他の人にはまったく些細なことであっても自閉症の人には圧倒的なことになっていることがあるのです。
9.コントロールできないと感じるとき
いつものお決まりのルーチンの行動をしていたり、1日の大部分がこれまでと同じような予測できることばかりであれば自閉症の人は快適です。
しかし、自分でコントロールできない物事に直面すると、不安や感覚過敏の問題を引き起こしパニックを起こしてしまうことがあります。
いつものお決まりの行動の中でも、ほんのちょっとした問題からすべてがうまくいかなくなると感じると、そうなってしまうこともあります。
10.閉じ込められていると感じるとき
快適に過ごせる空間があることは大事です。
その空間が何らかのかたちで危険にさらされるとパニックを引き起こしてしまうかもしれません。
狭い部屋に閉じ込められている、自由に話すことができない、あまりに近いところに人がいる、そうしたときに感じることです。
また、自分にとって快適な空間への侵入は大きな不安をもたらし、それも原因となります。
11.不快な人とのやりとり
人とのやりとりはそれだけで、自閉症の人にとっては疲れて、混乱し、不安になってしまうものです。
特定の会話からパニックを引き起こされてしまう人もいます。
また、複数の人と同時にやりとりしなければならないときに、そうなってしまう人もいます。
会話がたびたび中断されたり、話題がころころ変わることからパニックを引き起こされてしまう人もいます。
そういう状態になってしまった子どもと親をみたら、こんな理由によりそうなってしまっているのだと知っておいて頂ければと願います。
一番つらいのはそうなっている子どもですが、親であってもそのきっかけがわからずに困っていたりするのです。
発達障害の人がパニックになってしまうのを一分前に予測する装置
(チャーリー)