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自閉症が治った?少数の研究があるがその理解は正しくない。

time 2019/09/13

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自閉症が治った?少数の研究があるがその理解は正しくない。
  • 自閉症は成人になっても治るのか?
  • 自閉症と診断された子どもが成長すると自閉症が消えるのか?
  • 発達障害や自閉症は時間とともに消えるのか?

オーストラリアでは人口の約1%、推定値は150人に一人から70人に一人の割合で、発達障害である自閉症スペクトラム障害の人がいます。
症状の種類や重症度は人それぞれ異なりますが、共通的な特徴としてコミュニケーションや社会的なやりとりでの困難、反復行動、感覚過敏などの症状があります。
オーストラリアの2017年自閉症レポートによれば、自閉症は5〜14歳の子供に最も多く見られ、自閉症の人の83%が25歳未満で自閉症と診断を受けています。
成人は子どもに比べると自閉症と診断される確立が低くなっていますが、子どもが成長して自閉症が治っているわけではありません。
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自閉症の有病率が成人よりも学齢期の子供の間で高い理由はいくつかあります。
「有病率」とは、実際に自閉症である割合ではなく診断および/または自己報告の割合を差します。
自閉症は生涯にわたる状態であるため、実際には自閉症である割合は成人と子どもとで違わないと考えられます。
近年、診断技術の向上と自閉症と診断されることが多くなりました。
多くの自閉症の成人は、正しく診断されていなかったために子どもよりも割合が少ないと考えられます。
また最近では、自閉症と診断を受けることには多くのメリットがあります。
費用も含めた公的な支援を受けることができるようになるためです。
しかし、前の世代では、そのような支援が十分ではなかったため、診断を受けるメリットはありませんでした。
むしろ、差別を受けるなどデメリットのほうが大きかったといえるでしょう。
 
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2011年のアメリカの全国調査データの分析では、自閉症と診断された子どもの13パーセント(親が質問に回答した1576人の子どものうちの187人)が、自閉症とは診断できない状態になったことがわかっています。
そうなった最も大きな理由は、診断する際にあたって評価する項目、学習や感情、精神的健康状態などが変わったためです。
187人のうち、子どもが発達できたために自閉症と診断されなくなったのは21パーセントだけです。
また、自閉症ではなく別の発達障害と診断された子どもは4パーセントいました。
“Journal of Child Neurology”に掲載された最近の研究では、2003年から2013年の間に自閉症と診断された569人の子どもの記録を調べました。
7%(569人中38人)が自閉症とは診断されない状態になっていることがわかりました。
しかし、ほとんどが自閉症ではない注意欠陥多動性障害(ADHD)など別の発達障害と診断されたり、不安障害など精神的な健康問題と診断が変わっているだけでした。
自閉症でも別の障害や問題でもない状態になった子どもは569人のうち3人だけでした。
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自閉症や発達障害と診断をされなくなった子どもについて報告している研究はどれも参加人数が少ないものです。
たとえば、2014年にアメリカの精神医学研究者は、5歳より前に自閉症と診断されたものの、自閉症とは診断をされなくなった8歳〜21歳の34人について調査しました。
「結果が出た人たち」として定義した人たちです。
「結果が出た人たち」は、社会性、コミュニケーション、言語などについて、発達障害などでない典型的な発達をしている子どもたちと比べても違いはありませんでした。人の顔の認識で平均以下のスコアを示した子が3人いるだけでした。
この子どもたちは、自閉症が「治った」ように見えます。
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しかし、こうした少人数の参加にとどまる研究では、発達して自閉症の症状がなくなったのか、自閉症の症状を「隠す」ようになったのかを区別することができません。
精神衛生障害の分類に使用される診断および統計マニュアル(DSM-5)では、自閉症の症状は早期に始まり、生涯を通じて続くと述べています。
そして少なくとも一部の自閉症の成人は症状を「隠す」ことができます。
自閉症の診断を失った人々に関する2014年の研究では、彼らが高いIQを持っていることが多いことがわかりました。
つまり、このグループの人たちは自分の社会的な違いを理解した上で、隠すことができるレベルにあると研究者は考えています。
多くの自閉症の人は、幼い頃から自分の行動や思考パターンを隠すのを学びます。
特に女の子によく見られます。
仲間に受け入れらるためには、自閉症など発達障害ではない人のように行動し、コミュニケーションする必要があることを学んでいるのです。
しかし、この隠すという行為「マスキング」は身体的および感情的に消耗させるものです。
疲労、燃え尽き、不安、抑うつなどのつらい状態や、否定的な自己認識と低い自尊につながります。
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多くの親は子供の自閉症の診断に苦しみます。
子どもの人生が想像したものとは大きく異なっていくかもしれないと考えるからです。
「子どもの自閉症が治る。」
そうした偽りの神話は、それを信じて親たちがたくさんの苦労をすることを考えると、有害です。
そして、親が現在の子どもを素晴らしい人間であると理解することを妨げます。
子どもたちが今持っている、素晴らしい強みを見ようとする機会をなくします。
そしてそれは、自閉症の人は失敗した人だと、子どもが一生思うことにつながってもいきます。
2015年、オーストラリアでは自閉症と診断をされて人の失業率は31.6パーセントでした。
障害のある人の失業率10パーセントの3倍、障害のない人の失業率5パーセントの6倍です。
自閉症の子どもは、自閉症でない成人にはなりません。
孤立しがちな支援が求められる成人になります。
そのために企業、教育機関、政府、そして社会がこのことを理解し、適切な教育と雇用の機会を提供し、支援していく必要があります。
あなたの子どもの自閉症は「治る」でしょうか?
そうなることはありません。
しかし適切なサポート、応援、理解をすれば、素晴らしい成長をみせてくれるはずです。
(出典:豪THE CONVERSATION)(画像:Pixabay
そう診断されていたのに、発達障害、自閉症ともう診断されなくなった、治った!
と一見思わせる少数の研究結果があるものの、診断の基準が変わった、他の発達障害という診断に変わった、症状を隠していることなどであり、そのまま治ったとは受け取れないことを指摘しています。
発達障害の有無に関わらず、誰でもすでにもう素晴らしい子、人であることを知り、それを伝える。
素晴らしくたって、かかえている困難は少なくないので、少しでも減るように成長をお手伝い。
それはとても長い期間に渡るので、親子楽しく取り組む、というか過ごす。
そんなふうに私は思って今に至ります。
発達障害の息子を「治す」ために費やしたお金は莫大な無駄

(チャーリー)


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