- 発達障害をもつ大人や子供が外で夕食をとることはどんな挑戦があるのか?
- 発達障害をもつ人同士が集まるイベントで何を感じるのか?
- 発達障害をもつ人とその家族が交流することで得られるものは何か?
ロナン・ソーザにとって、外で夕食をとることは簡単なことではありませんでした。
「つらい経験を何度もしました。」
注文した料理にはサラダもソースも添え物もついていません。
しかし20歳のロナンにはこれがいいのです。
オーストラリアのシドニーで開かれている発達障害の成人のための夕食会です。
「私がここで夕食をとろうと思ったのは、
発達障害の人が私だけではないからです。
発達障害の誰かに会えることは、私にとって特別なことです。」
この夕食会はオーティズム・コミュニティ・ネットワークの創設者であるスティーブ・ドラクリスが開いたものです。
発達障害の大人たちが集まって、夕食やゲームを楽しみます。
ドラクリスはこう言います。
「発達障害の人への支援の多くは、子どもを対象としています。
私たちの愛らしい子どもたちが大きくなって、孤独な大人になっていることが忘れられています。」
たくさんの参加者と興奮とで結局は静かな空間にはなりませんでしたが、音を出すようなものは部屋から取り除いてあり、研修を受けた発達障害の人たちに対応することができるスタッフがそばについています。
「ここに来て、自分の食事を注文します。
家からここまでの自分の道、自分の場所を作るんです。
それは生きていくうえで、欠かせないスキルです。
この夕食会は、発達障害の大人たちが、偏見にさらされずに、公共の場で人とやりとりができる場となることを目的にしています。」
ここに来た人たちは、発達障害の他の人と交流し友だちを作ることもできます。
「こうしたイベントに参加することが大好きです。
私も発達障害でたくさんのみんなとの共通点をもっているからです。
また、発達障害でない人とも仲良くなれることもあります。」
そう、参加者は言います。
主催者であるスティーブ・ドラクリスは楽しい気分でいながらも、これを行う理由は深刻なものだと語ります。
「発達障害の人たちの自殺率はとても高くなっています。悲劇です。
発達障害の他の人と出会うことで、孤独でないことを知ってほしいと願っています。」
18歳の娘のローズと一緒に参加したスー・フィッシャーはこの夕食会は発達障害の大人だけでなく、その家族にもよい機会になっているといいます。
「親同士もつながることができます。
とくに相手の息子さんや娘さんが私たちの息子よりも年上だった場合には、
これからのことを教わることができます。
良いこと、つらいことを事前に学べます。」
自分の娘が学生だった頃から、発達障害の人を支援するサービスの多くが子どもを対象にしていることに気づいていたといいます。
「発達障害の子どもたちも、いずれはみんな大人になります。
発達障害と診断される子どもたちが増えているので、大人も増えていきます。
こうした発達障害の大人のための機会もますます必要になるはずです。
ここに来ることは、自分の娘の将来を知ることにつながります。
それはとても重要なことです。」
この夕食会は毎月1回行われています。
(出典・画像:豪abc)
発達障害の子はみんな発達障害の大人になります。
発達障害の大人、そして家族もこうして交流できる機会、良いと思います。
発達障害の子と家族みんなにいい、みんなで集まってゲームする
(チャーリー)