- 発達障害を持つ人が映画製作でどんな困難に直面するか?
- 映画製作が発達障害を持つ人と社会とのつながりを助ける方法は何か?
- 発達障害を持つ人が映画製作を通じて自身の強みを発揮するにはどうしたらいいか?
オーストラリアのカンガルー島に住む発達障害の男性が作る映画が称賛されています。
2つの作品が地元の映画祭で取り上げられました。
アイザック・ドーマンは2歳半で発達障害と診断され、8歳になるまで話すこともできませんでした。
アイザックの二つの短編映画が、カンガルー島のFrom The Heart Film Festivalで上映されています。
アイザックの母親のモニークは映画作りがアイザックと社会とのつながりを助けてくれたといいます。
「アイザックは小学校では苦労をしました。
それは、人とコミュニケーションをとることができないためです。
ずっと友だちを求めていました。」
アイザックは通常の学校には入学が認められず、特別支援学校に通いました。
そしてこう言います。
「他の子とつながるのに苦労しました。
他の子が興味をもっていることに、僕は興味を持てなかったからかもしれません。」
そして、アイザックはカンガルー島に引っ越してきて、特別支援学校に入学後、通常の学校に通うようになりました。
そこで、アイザックは芸術への情熱を培いました。
自分が持っている想像力が、芸術でのキャリアを築くのを助けてくれることに気づきました。
母親はアイザックのものごとに対する考え方が、映画作りの邪魔になることはなく、むしろ強みになっているといいます。
「アイザックはいつも頭の中で物語を考えていました。
そして映画業界の人は息子の風変わりな方法、異なる考え方を受け入れてくれました。」
高校を卒業する年に、アイザックはこれまでに数々の賞を受賞している映画会社のニンティ・メディアに絵コンテを送りました。
監督のダニエル・クラークはアイザックの可能性をすぐに感じ取りました。
「それは本当に詳細なストーリーボードでした。
すべてのショット、フレームのについて、今まで見たことがないようなものでした。
学校を卒業すれば、アイザックにはこの素晴らしい短編映画を実現できる時間ができると考えました。」
ストーリーボードは、この映画祭で上映されている”Death of a Rose”のためのものでした。
核廃棄物の問題に関わる映画です。
「この映画を作った理由は、環境に対して無責任な核廃棄物を海に投棄している国に警鐘を鳴らしたかったからです。」
上映されているもう一つの映画”Disconnected”は5つのオムニバスからなる映画です。
ソーシャルメディアがさまざまな方法で、さまざまな人に影響を与えたことを調査して作ったものだといいます。
アイザックは自分の発達障害を障害だとは考えていません。
単なる「違い」だといいます。
アイザックの映画製作のキャリアに多くの面で利益をもたらしてくれたといいます。
そして、発達障害の人に対するステレオタイプなイメージを払拭したいと考えています。
「私は自閉症スペクトラム障害ですが、自閉症スペクトラム障害の他の人と同じということはありません。」
カンガルー島に住む人は5000人もいません。
それが、学校生活や映画製作での成功につながったとアイザックと母親は言います。
「カンガルー島の人たちは、本当に私たちを受け入れてくれました。
たくさんの人たちが、夢や本当の目標を応援してくれました。
それは大都市では経験できないものでした。」
(出典・画像:豪abc)
環境が変わることで、人生が大きく変わることがあります。
悪くなってしまう可能性だってもちろんありますが、こちらの親子にとっては素晴らしいものとなりました。
必要となったら、勇気をもって環境を変えてみてもいいかもしれません。
映画を作り発達障害の若者たちが映画スタッフの仕事を学べる機会
(チャーリー)