- 社会は発達障害の人たちに対してどのように支援すべきなのか?
- 発達障害の人たちが安心して働ける場所を提供するにはどうすればいいのか?
- インクルージョンが当たり前となる社会を実現するためには何が必要なのか?
米コロラド州リトルトンのダウンタウンに心温まるストーリーをもった素朴で小さなカフェがあります。
このダートコーヒーバーは、多様な人を雇用する企業としてはここのチャンピオンです。
ダートコーヒーバー・アンドガーデンの創業者でCEOのローレン・バージェスは発達障害の人たちの雇用に力を入れてきました。
種が育っていくのを力強く支える「土」=ダートのような存在になることを目標に名付けた名前です。
深みのあるコーヒーを提供しています。
発達障害の若者にサービスを提供する仕事をしているときに、バージェスはこのカフェのアイデアを思いつきました。
高校を卒業した後、バージェスが支援をしても発達障害の若者は仕事につくことが困難でした。
発達障害の自閉症の人の90パーセントは失業状態にありました。
それはスキルがないことが原因ではありません。
バージェスは地元のカフェで長い時間学び、研究しました。
「発達障害の若者を誰も雇用しようとしないのなら、私がすればいいと思ったんです。
私が持っているコーヒー、インクルージョンへの情熱を結びつけて、ダートコーヒーが思いついたんです。
コーヒーはみんなが飲んでいます。ビジネスにしやすいんです。」
バージェスは、行動療法士のエミリー・ウォレスと組んで、「人」「環境」「利益」をポイントにビジネスプランを作成し、5万ドルの資金を獲得して2013年に車での移動販売で始めました。
ダートコーヒーバーの車はコロラド州デンバーの大都市圏を周り、インクルージョンのメッセージが多くの人に伝わりました。
移動販売が大成功し、店舗も開いたのです。
現在、ダートコーヒーで働く常勤のスタッフの30パーセントが発達障害の人たちです。
「昨年の5月に店をオープンしました。
ここで25人の従業員が働いています。
これまでに2万5千杯以上のコーヒーを提供しています。
私たちの考えでは、人生を変える2万5千の機会があったということです。」
発達障害の人にとって有意義な雇用ができること、そしてリーダーシップを発揮できる機会を作ること。
ダートコーヒーはこの目標に忠実でした。
今では店長となっているロビーが体現しています。
ロビーは2013年にインターンシップで働きました。
「最初ロビーは親と一緒に住み、仕事をしたことがありませんでした。
私はロビーはダートで活躍できるはずだと思いました。
インターンシップの後、ロビーはダートではなく別のところでフルタイムの仕事に就くことができました。
しかし、私たちはロビーとの関係を維持していました。
そして、お店をオープンしたときに店長の仕事をオファーしたのです。
今では、すべてのメンバーにとって素晴らしいリーダーになっています。
最近はインターシップで働いている人たちのコーチやメンターの仕事も行っています。」
ロビーは素晴らしい成功の例ですが、ダートコーヒーには抱えている課題があります。
「私たちはコーヒーを売っています。
そしてただ、お客様はコーヒーを飲みに来ています。
私たちの目的が認識されていないんです。
誰も注文をした人が発達障害であることに気づいていないんです。
そのために、サービスが悪いという辛辣な評価をされることがあります。」
バージェスは、ダートコーヒーは発達障害の人たちが社会的なスキルを養うための安全なスペースであり、表面的なことだけで人を理解しようとしないように、お客も教育したいと考えています。
「ダートコーヒーで好きなことの一つは、私たちの目的を知らなくても、コーヒーを飲みながらそれを楽しめることなんです。インクルージョンを当たり前にしたいのです。
私たちは自分たちの目的や使命を表示したりしません。
自分たちがしていることを慈善活動だとも思っていません。
そうするのではなくて、インクルージョンが当たり前に思える、魅力的で創造性の富んだ、明るくて歓迎的なお店にしたいと思っています。」
発達障害のスタッフたちが仕事で自分に自信を持つことを応援しています。
発達障害でないスタッフと一緒に素晴らしいチームとなって、すべての人にインクルージョンが当たり前に思われるように努力をしています。
「ダートコーヒーよりも行きたくなる、新しいお気に入りのインクルージョンのお店も生まれてほしいと願っています。
雇用でも発達障害の人たちの重要性が理解され、発達障害の人たちが雇用の機会をより多く要求できるようになることを願っています。」
そうバージェスは言います。
(出典・画像:米303MAGAZINE)
自分の立ち上げたお店よりも社会がそうなることを望む。
すごいと思います。
そう望んでいるからこそ、お店もうまくいっているんでしょうね。
すごい。
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(チャーリー)