- 自閉症や発達障害を「治す」方法は存在するのか?
- CEASE療法やホメオパシーには科学的根拠があるのか?
- 治療法として専門家の意見や科学的根拠はどのように考慮すべきか?
ニュージーランドでは、発達障害、自閉症を治すものとしてホメオパシーが利用されています。
自閉症スペクトラム障害が現れないようにするとうたうCEASE療法は世界中で非難されるものとなっています。
イギリスでは広告の規制当局が、治すとする数百名のホメオパシーによる虚偽の主張について取り締まりを行っています。
発達障害の自閉症を「治す」方法はありません。薬もありません。
一部の治療方法はそれによって起こる症状の改善を目的に行われますが、根本的に「治す」ものではありません。
ニュージーランドではCEASE療法を習得できると、18にのぼるホメオパシーの団体が3〜5日間のコースを提供しています。
CEASE療法の基礎となっている考え方は、自閉症は毒素によって引き起こされているというものです。
現在は既に死亡しているティーナス・スミスが自閉症を引き起こす毒素の70パーセントがワクチンに由来すると主張しました。
そして、同じ毒素をとても希薄にしたもの=「レメディ」を利用することで毒素を除去ができるとし、ワクチンを希釈したレミディの利用も勧めました。
有効成分が入っていない薬を飲んでも、薬を飲んだと思うだけで心理的作用が働き、効果を表すことがあります。
これをプラセボ効果といいます。
CEASE療法、そしてホメオパシーには、プラセボ効果を超えるきちんとした科学的根拠のある効果は認められていません。
ホメオパシーは「同種のものが同種のものを治す」を基本原理にしています。
何かによって病気になった場合には、その何かを薄めたレメディを飲むことで治せると考えるのです。
さらにそれが薄まれば薄まるほど治療の効果が高まると考えます。
例えば100ミリリットルの水に有効成分を5滴垂らすよりも、1滴の方が効果が高いと考えるのです。
一般的なホメオパシーのレメディでは、100倍に薄めるのを30回繰り返します。
それは、100の30乗倍、10の60乗倍と薄めているために、科学的には有効成分は1つの分子も残っていないと考えられるほどです。
しかし、ホメオパシーではこうして薄めたレミディには癒やしの霊力があるといいます。
または、水がその中にあったものを記憶していて力になるといいます。
CEASE療法にも多くの疑問が生じます。
ニュージーランドではMMRワクチンを入手し、水で薄めてホメオパシー治療薬として販売することはできません。
ワクチンは処方薬だからです。
ワクチンの購入、所持、および投与ができるのは、医師や保険省から特別な許可を得た者に限られています。
そのため、考えられるシナリオとしては、すでに希釈された製品を英国から輸入しているニュージーランドの卸売業者からの購入です。
有効成分が100万分の20以下のホメオパシー製品は、ラベルと広告素材に治療上の主張が含まれていない限り、通常は監督官庁の許可を何ら必要としません。
ホメオパシーでの治療薬は何も含まれていない無害な水である可能性が高い一方で、それに効果があると信じる人たちが心配です。
ニュージーランドのオークランド大学のヘレン・ペトウシス・ハリスは、CEASE療法は新しいレベルのホメオパシーによる脅威と見ていると言います。
「彼らは略奪的です、彼らはこれでお金を稼いでいます。
誰かに化学的な害を及ぼすことはないかもしれませんが、実際には卑劣な行動です。」
支援団体のオーティズム・ニュージーランドの最高経営責任者デーン・ドゥガンは、ワクチンが発達障害の自閉症の原因ではないことは確実に証明されていると語っています。
デーンはCEASE療法を知っていましたが、ニュージーランドでも行われているとは知りませんでした。
「こうした科学的に効果が認められていない治療方法全てに対して、私たちのコメントとしては
『私たちは原因も探していないし、治す方法も探していない。』
率直に言ってそうしたものは不愉快です。」
デーンはオーティズム・ニュージーランドが考えていることは、自閉症で生きることを支援することだと言います。
「そうした人たちが最高の人生を送れるように助ける。」
そのための最善を見つけるために科学があると考えています。
例えば、発作の抑制に役に立っているてんかんの薬がその例です。
デーンは、科学的な根拠がない治療法のいくつかが、社会で最も脆弱な人たちを餌食にしていると言います。
「エビデンスに基づいた実証がされた、そうした『科学的』なものでなければなりません。
それがない、思いついた人の考えだけのものではだめなんです。」
(出典:ニュージーランドnewsroom)(画像:Pixabay)
たくさんの人に公開しそして批判を浴び、それを繰り返し経て来たのが、科学、医療です。
それらに勝って、信じれるものはないと思います。
悪意ではなく、善意で勧められることもままありますが、そこは冷静に批判的に。
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(チャーリー)