- Snapを装着することで、不安を記録することができるのか?
- Snapの開発チームはなぜ発達障害の方を対象にしたのか?
- Snapを使うことで、発達障害の方が日常生活でどのようなメリットを得られるのか?
英ランカスター大学の専門家たちが発達障害と診断されている方たちを、Snapと呼ばれるリストバンドのウェアラブルデバイスを使って、調査しました。
Snapは不安に感じたことを記録します。
このSnapは3ヶ月というとても短い期間で開発をされました。
伸びる素材のバンドでできていて、身に付けるとデータの記録を開始します。
この記録で、不安についてより理解ができるようになります。
それはその人の日記を読み返すようなものです。
「不安と発達障害」−パーソナライズされたデジタル健康データ−
という論文では、この技術と研究成果が述べられています。
自然素材を使って、3Dプリンタで成型されたバンドの中にはRFDunioマイクロコントローラーが入っています。
これによってより、多くの機会でデータがとれるようになったと研究者は言います。
これまでの同様な機器では、記録する時に限って、歩数や動きや心拍数のデータを取得するものでした。
このSnapでは身につけると記録を開始するため、多くのデータが取得できます。
「発達障害の方を対象とするにあたり、ここが重要なポイントです。」と論文ではその事が説明がされています。
Snapはデータを集めるだけでなく、サポートを行う人に、発達障害の方が不安になった場合にはそれを伝える機能ももちます。
このリストバンドのアイデアは、発達障害の方が手にした物で音をだすことが多いことに着目して生まれました。
「私たちは自分たちで装置を作りたいと考えました。手で遊べるデジタルなもの。そしてそれは不安をコントロールするのに役立つもの。」
ランカスター大学のコンピューティング・アンド・コミュニケーション学部の研究者のウィル・シムが言います。
「これはデータを使って、不安についての解明を進めるものになります。」
Snapの研究者たちは細部にこだわりました。それは発達障害の方にとっては重要なことです。バンドについてカスタマイズができるようにしました。
発達障害の方も、装置を作るにあたってデザインの段階からボランティアで参加しました。
「ボランティアをするセラピー」と論文では呼んでいます。
「私たちの研究は、Snapを通じたデータ取得によって、不安についての理解とコントロールを進めるものです。」
「Snapを設計、開発をしていく中で、発達障害の方が参加し、不安についての議論をおこないました。介助する方は、こんなに発達障害の方が話をするのは、はじめて見たそうです。」
この装置は不安になるときに限って使う必要はありません。日常生活をよいものにもします。
「この研究は、不安についてだけ注目をしているのではありません。この装置はうれしい気持ちも記録することができます。」
この研究は、英国工学・物理科学研究会議からの助成を受けることが決まりました。
身につけている人がクリックできるボタンをつけた、プロトタイプが新たに開発されます。
研究者たちはネットをつかって発達障害の方から意見を聴き、カスタマイズと製品化を進めています。
(出典・画像:米fiercebiotech)
ベンチャー起業が取り組むリストバンドによる装置で発達障害の子どもを助けようとしているという話もありましたが、
パニックを防ぐリストバンド
今回は成人の方を対象としており、より不安について、そしてうれしい気持ちについても研究を進め、役に立とうとするものです。
それらの研究は発達障害の方に限らず、誰にでも役に立つものになると思いますが、まずは伝えることが難しい、発達障害の方向けの製品化が早く進むとよいですね。
(チャーリー)