- 重度の自閉症スペクトラム障害の人に対する言語評価はどのように改善できますか?
- 言葉を理解しているかどうかをどのように正確に測定できますか?
- ASDの人に対して目の動きや脳波を使った評価方法はどのように効果を上げるのですか?
重度の自閉症スペクトラム障害(ASD)の人に対する言葉を使った測定は不正確にしかならないことがよく知られています。
言葉を話して、それを意味する絵を指差しするようにお願いするような方法です。
”the journal Cognitive and Behavioral Neurology”に掲載された、新しい研究を行った米バーモント大学のコミュニケーションと障害学部のエミリー・コダールによれば、これは大きな問題につながります。
正しく測定できなければ、効果的な療育が行えません。
また、研究者たちも対象とすることに躊躇し、重度の自閉症スペクトラム障害についての研究が足らず、生活の質の向上を滞らます。
コダールと米ジョン・ホプキンス・メディシンの研究員らによる今回の研究では、重度の自閉症スペクトラム障害の人について目の動きから言語能力などを評価するツールについて伝えています。
「ASDの成人や子どもは、伝統的な言語評価方法では、実際よりもはるかにスコアが低いことがよくあります。
ASDの人たちは、指示を理解できていない、または理解できていても絵を指差すことができていない、またはその測定に参加したくない、そうした理由があります。
新しい研究では、もっと良い測定方法の開発につながる発見をしました。」
今回の研究のテストでは、眼球運動モニタリングとよばれる手法を使用しました。
言葉を聞いた後に、コンピューターの画面に表示された4つの絵のから、合っている絵を見ているのかを測定できるものです。
すぐに合っている絵に視線を向け、とどまっていれば、言葉の理解はできているということです。
次のテストでは、瞳孔の拡張を測定しました。
言葉を聞いたあとに4つの映像を見ます。
瞳孔が拡張した場合には、認知しようとしない、つまり言葉の意味がわからない可能性を示します。
拡張しなかった場合には、言葉の意味が理解できています。
三番目のテストでは、脳波を測定しました。
言葉を聞いて、その意味と一致する絵、一致しない絵のどちらかを見ます。
これまでの研究で、言葉と絵が一致した場合の脳波と、異なる場合の脳波には違うパターンがあることがわかっています。
そのため、言葉を理解できているか測定することができます。
研究に参加した自閉症の5人について、測定値からこれら3つのテスト方法は正しく測定するのに有望だと結論づけられました。
研究チームは、この3つのテストがASDでない成人においても、正しく測定できることも確認しました。
今回の研究は参加者が少ないために、予備的なものです。
しかし、大きな可能性があると研究を行ったコダールは言います。
「こうしたテスト方法による測定は、本当の言語能力を把握し、より効果的な療育を行えることにつながります。
言語に困難をかかえる自閉症の人は数多くいます。
言語能力を向上させるために私たちができることは何であっても、生活の質も向上させるものです。」
(出典:米NEWS MEDICAL)(画像:Pixabay)
言葉を話すことができない方をもっとよく理解できる方法はどんどん開発されてほしいと願っています。
うちの子は話すことができません。ここ最近、落ち着くことなく身体中をかきむしり、座りもせず歩き回って泣いてばかりいるようになりました。
進級し学校環境が変わったせいだとは思うのですが、困っていること、助けてほしいこと、をもっとよく理解し早く助けたいと切実に思います。
知的障害の人がかかえる絶望感をまわりはわかっていないのかも
(チャーリー)