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自閉症スペクトラム障害の女性は摂食障害だと間違われる可能性

time 2019/06/18

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症スペクトラム障害の女性は摂食障害だと間違われる可能性
  • なぜ自閉症スペクトラムの女性は摂食障害と誤診されやすいのか?
  • 自閉症スペクトラムの女性の診断が難しい理由は何か?
  • 自閉症スペクトラムの女性が摂食障害を発症しやすいのはなぜか?

発達障害である自閉症スペクトラムの女性や女の子は男性に比べて食欲に関わる問題をかかえるリスクが高いと研究で示唆されています。
しかし、女性は男性に比べて自閉症と診断をされていない可能性が高いために、摂食障害と間違えられている可能性があります。
英キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームによる”Current Psychiatry Reports”に掲載された研究では、拒食症患者の52.5%が自閉症スペクトラム障害と診断される基準を満たしていると報告しています。
自閉症と拒食症は、共通した遺伝的な原因によるものという考えがあります。
一方で、自閉症であることを見逃したために、二次的な精神的な問題として食欲不振などを発症すると考えもあります。
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女性の自閉症と摂食障害との関連について発表したオーストラリアのフリンダース大学の教授、ロビン・ヤング博士は、自閉症の女の子は男の子に比べて、自閉症であることを隠してしまうことが得意であるもの、その代償をかかえてしまうといいます。
「女の子は特定の物事に集中するよりも、自分を周りに合わせることに集中します。
それはすごいことで、発達障害でない人になりますが、
『自分が誰だかわからない。自分の人生は人の真似。』
と考えてしまうことになります。」
ヤング博士によれば、自閉症スペクトラムの女の子がかかえる問題について報告している教師はわずか5パーセントしかいません。
ずっと演じ続けることで女の子は疲弊し、内在化していた問題で爆発してしまいます。
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イギリス出身の25歳のフィオナ・エバンスは自らの経験を語ります。
「小中学校では、私は成績優秀でした。
しかし、いじめられていて、社会的には適合しているとは言えませんでした。
18歳になると自閉症について知りました。
私は、自分を説明できるものを見つけたと思いました。」
エバンスは自閉症についての診断を求めましたが、小児専門の医師からは「考え過ぎ」と言われただけでした。
大学生になると、状況はますます厳しくなりました。
過食や嘔吐などを行う拒食症を発症しました。自傷行為やアルコールの過剰摂取も始まりました。
1年生の終わりの頃には、精神科病棟に入院することになりました。
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エバンスは再び、自分が自閉症であることを疑いました。
しかし、精神科医はエバンスが相手の目を見ることができることから、自閉症とは診断をしませんでした。
「私は、相手の目を見ることができるように自分で練習してきたんです。
なので、医師がそう考えるのは馬鹿げていると思いました。
私は他の多くの女の子と同じように友達に振る舞ったり、本を読んだり、映画を見たりすることで、ソーシャルスキルの多くを学んできたんです。」
その後、エバンスは正しく自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群と診断をされました。
エバンスは現在、拒食症などの問題は少なくなりました。
それは、自閉症と診断されたことが理由だと考えています。
拒食症の人がもつ完璧主義と自閉症の人がもつこだわりには重なるところがあるとエバンスはいいます。
自閉症の人たちは感情を調整するのが困難であることが多くあります。
食事を制限することは、感情を鈍くする方法であるとエバンスはいいます。
ヤング博士は、自閉症スペクトラム障害の人たちは感覚に過敏であること、そして厳格な思考のために自らのルールに縛られるために、食事に関わる問題が起きる。そして、男の子は自閉症と正しく診断されていたものの、女の子は回避的・制限的摂食障害と誤って診断をされる可能性がこれまでにあったと伝えています。
(出典:豪The Sydney Morning Herald)(画像:Pixabay
正しく診断されないために改善するどころか、悪化してしまうこともあるはずです。
こうして研究が進み、正しく診断され適切な支援がなされることを願います。
自閉症の女の子と成人の女性の多くが正しく診断をされていない

(チャーリー)


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