- 新しいスキルを教えるときに、時間をどのくらいかかると効果的か?
- テクノロジーがどのように特別支援教育に役立つのか?
- ロボットやテクノロジーを活用した療育が、子どもたちの発達にどのような影響を与えるか?
発達障害である自閉症スペクトラム障害の子に新しいスキルを教えるときには、十分に時間を長くとることが必要です。
ニュー・イー・ジョン博士は時間と信頼が必要だと言います。
そしてテクノロジーが助けになります。
「自閉症スペクトラム障害の子どもたちは、人とつながること、指示に従うこと、社会的スキルやコミュニケーションスキルを持つことに困難をかかえます。
そして、テクノロジーを使うことで学ぶことが面白いものに変わります。」
そうニュー博士はそう言います。
ニュー博士は特別支援を必要とする青少年向けの学習センター、アニマルズ・フォー・ヤングの設立者です。
ニュー博士は一貫して、療育に猫や犬、そして馬まで利用しています。
また、テクノロジーも取り入れています。
例えば、教育向けレゴを使ってロボットの猫を作りました。
そのかたちと動きに、子どもたちは大喜びです。
「私たちは発達障害の子どもたちに、ロボット猫で遊ぶことをすすめます。
そして、準備ができてもっと学びたいと思ったら、本物の猫を紹介します。
「これまでの療育の方法は、運動能力や感覚、認識の発達に有効なものです。
しかし、ここではもっとさまざまな療育方法も探求しています。」
音と光を発するたくさんの機械のおもちゃに囲まれることで、子どもたちの感覚が慣れていきます。
そして、おもちゃは面白く楽しめるだけでなく、重要なスキルを学ぶ道具になります。
ニュー博士は床の上を動く、カラフルな芋虫のおもちゃが、プログラミングを教えてくれるものだと言います。
「芋虫は組み合わされた行動の指示に従って動いています。
子どもたちはそれを理解しなければ動かすことができません。
生活する上で必要な、思考力を高める学習になります。
私たちは子どもが達成できる具体的な目標を時間をかけて考えます。
そして達成できるまでの間に、困難を作ります。
子どもたちは目標を達成するために、順序を考え、問題解決のスキルを身に着けていきます。」
2017年に設立されたこの学習センターは、2歳から13歳までの子どもを支援しています。
先生たちは、1対1のセッションで具体的な目標を設定しての療育を行います。
そしてのこのセッションでは、フランスのLeka社のロボット、Lekaが利用されています。
このロボットは、自閉症スペクトラム障害と学習障害の子ども向けに開発されたものです。
子どもたちの友だちとして活躍します。
先生や親はアプリから、子どもたちを楽しませるために、このロボットを操作できます。
ライトを光らせたり、音楽を鳴らしたり、振動させたり回転させたりです。
「Lekaを利用しているのは、子どもたちに教育的なゲームを提供できるからです。
例えば子どもたちに、色や物をロボットに伝えて持ってきてもらうことで、他者とのコミュニケーションが学べるのです。
常に自分の世界にいる子どもにとって、Lekaのようなロボットは、おそらく自分にあった快適な存在になりうるものです。
そして、ゆっくりと他者とコミュニケーションすることへ自信を培っていきます。」
正しく利用されればテクノロジーは、自閉症スペクトラム障害の子どもたちにとても役に立つとニュー博士は考えています。
(出典・画像:マレーシアTHE Star)
子どもたちが楽しく学べ、笑顔が増える。
そんな療育に利用できるテクノロジーはどんどん出てきてほしいと思います。
発達障害の子ども向けロボットLeka
(チャーリー)