- アートを通じて自己表現することで、どのような効果があるのか?
- アート活動を通じて、人とのコミュニケーションにどのような影響があるのか?
- 発達障害をもつ子どもの自己認識や考えについて、どのようにサポートするのが良いのか?
アレックス・シュワルツは発達障害です。
紫のマーカーペンを持つとすべての意識が向けられています。
アレックスは自宅の地下のスタジオで描いています。
キャンバスに囲まれています。
州立公園のギャラリーに飾られている20点以上のアートはここで生まれたのです。
アレックスのアートは明るい色でとても魅力的です。
母親のジャネットと父親のマイケルのコレクションのビリー・ジョエルなどのCDを聴きながら絵を描いています。
24歳のアレックスはいつも笑顔です。そしてコメディアンのように振る舞っています。
思いもよらぬことを口走ったりしますが、それは意識してのことではありません。
そしてアレックスは人の気持ちに敏感です。
誰かが悲しそうにしていると、すぐに「大丈夫?大丈夫?」と言って近づきます。
アレックスは何度も同じことを繰り返し口に出します。
そうして、自分が正しいことをしていると確認しているようです。
アレックスは夕食の前には、いつもシャツとズボンを着替えるこだわりがあります。
焼く調理が大好きです。
両親が食器棚に貼ったレシピに従って、マフィンを焼きます。
アレックスは地下室のスタジオで、幾何学的な絵を描いています。
静かに熱心に取り組んでいます。
スタジオの壁は淡い緑で、部屋はパステル調のやわらかな色につつまれています。
アレックスは障害のある方のための訓練施設に通っています。
帰ってくると毎日60分間、絵を描きます。
構図がとてもアレックスには重要だと両親はいいます。
それがいつもと違うとアレックスは不安になってしまうのです。
両親はアレックスの人生を良くしたいと、社会的なスキル、コミュニケーションスキルの向上のためにあらゆることを行ってきました。
母親は看護師、父親はソフトウェアエンジニアです。
アレックスは2歳のときに広汎性発達障害と診断をされました。
父親のマイケルは、息子のアレックスが芸術と出会えたことは大きな発見になったと言います。
父親のマイケルは当時はソビエト連坊であったロシアで育ちました。
マイケルの母親はピアニストの先生、そして叔父は戦争で亡くなりましたが芸術家でした。
アレックスの姉のサーシャは米カーネギーメロン大学でデザインに取り組んでいます。
地下室のスタジオにつながる階段のところには、サーシャが描いたアレックスの絵も飾られています。
週に一、二回、アレックスに絵を教えにアンドリュー・ファニヤーがここに来ます。
最初は絵を教えることよりも、何かに注意を向け続けられるようになるための練習だったといいます。
先生が絵を描き、それをアレックスは15分間見続けました。
それから、アレックスに絵を描くことをすすめました。
アレックスの絵は、両親を驚かせました。
それからずっと描き続けています。
アートがアレックスの心を豊かにし、色とデザインでまわりの人とコミュニケーションができるようにしたのです。
母親はこう言います。
「息子は自分自身を伝えることを、絵を描くことで助けられています。
美しい絵を描くんです。
自分の感情を自分の芸術を通じて表現してくれています。」
父親はこう言います。
「私が本当にうれしいのは、アレックスが自ら考えて描いているからです。
止まったようになって、次にどう描くかをよく考えています。
アレックスは自らを考えることができる人なんです。」
(出典・画像:米Newbury port news)
子どもが何を考えているのか。
それがよりわかることになれば親としては本当にうれしいはずです。
まして、それが本人が大好きで熱心に取り組めているものであればなおさらです。
これからもいっぱい描いてほしいと思います。
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