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発達障害の子が犬への恐怖を克服し飼うまでになったVR療法

time 2019/02/16

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

発達障害の子が犬への恐怖を克服し飼うまでになったVR療法
  • VR療法が発達障害の子どもたちの恐怖を取り除けるのか?
  • ブルールームによる練習が、効果的なのか?
  • 参加した子どもたちの恐怖克服率はどれくらいか?

バーチャルリアリティ(VR)療法が、6ヶ月後には発達障害の子の45パーセントから恐怖を取り除くことができたという研究結果が発表されました。
英ニューカッスル大学で、開発された「ブルールーム」は専門家が作ったシナリオに沿って、療法士に助けられながら、発達障害の子どもたちが恐怖に立ち向かえる練習を行える安全な環境です。
ゴーグルを利用する必要のないVR環境のブルールームの中で、ハチ、リフト、暗闇、飛行機、人形、風船、電車やバス、学校、部屋に入ってくる人などに対する恐怖を克服するための練習ができます。
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子どもたちは、iPadでシナリオを進めながら、恐怖に慣れていきます。
“the Journal of Autism and Developmental Disorders”に掲載された今回の研究では、このブルールームによるVR療法を6ヶ月行った子どもたちの45パーセントに効果が認められました。
ニューカッスル大学の研究チームは、8歳から14歳までの発達障害の子ども32人に研究に参加してもらいました。
16人は6ヶ月間、VR療法を受け、もう16人は比較対象としてその療法は受けません。
VR療法を2週間受けた子どもたちを調べると、4人(25パーセント)の子どもたちが特定の恐怖症を克服することができていました。
そして恐怖を克服することができた子どもは6ヶ月後には6人(38パーセント)にまでなりました。
しかし、1人の子は恐怖症が悪化しました。
一方で、療法を受けなかった子どもについては6ヶ月の間に、5人が恐怖症を悪化させていました。
その後、療法を受けなかった子どもたちも、このVR療法を受けると、2週間で40パーセントの子どもたちに効果があり、6ヶ月を終えると45パーセントの子どもたちが恐怖を克服しました。
犬をとても怖がり、見るたびにパニックになっていた11歳のハリー・メインウォーニングは、このVR療法で恐怖症を克服できた1人です。
今では、自宅でウィフィーと名付けた犬を飼っています。
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母親のリジーはこう言います。
「息子のハリーは犬を見れば、パニックを起こし悲鳴を上げて、逃げ出していました。
それは、車が走っている道路のそばにいてもそうでした。
なので、とても危険がありました。」
ブルールームによるバーチャルリアリティが、ハリーの人生を変えてくれたといいます。
「今では、ハリーは犬と一緒にいるんです。それを見れるのは本当に素晴らしいことです。
ハリーは今では犬が大好きです。
そして、誰かに出会ったときでも、犬をなでてくれたりすると息子はうれしくなっています。」
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この研究を行ったジェレミー・パール教授はこう言います。
「これまでに治療方法がほとんどなかった、発達障害の子の恐怖への克服に効果的な治療方法を提供できれば、家族にも希望を与えるものとなります。」
発達障害の子の25パーセントが、恐怖症をかかえていると考えられています。
このバーチャルリアリティ療法は、ドアを開け長い廊下を歩くことに恐怖を感じていた26歳の女性が大学を卒業することも助けました。
(出典・画像:英itv
怖かった犬が飼えるようにまでなるなんて、本当にすごいことだと思います。
恐怖を克服できるように練習できる「安全な」環境。バーチャルリアリティ、VRのメリットが大いに活きます。
この「ブルールーム」ではヘッドマウントディスプレイを着けなくてもよいところがいいですね。
着けるのを嫌がる子どもも多いと思うので。
世界中で、こうした利用ができるようになればと願います。
発達障害の子への療育ロボット。人間の困難を軽減してくれる未来

(チャーリー)


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