- 発達障害や自閉症スペクトラム障害をもつ人が社会的なスキルやコミュニケーションについてどのような問題をかかえているのか?
- "To Touch the Moon"の上演に参加することで、若者がどのように成長し、新しい体験を積むことができるのか?
- グレッタが演技の指導を通じて、発達障害を持つ人たちにどんな影響を与えているのか?
今年は人間を初めて月面に着陸させたアポロ11号の打ち上げから50周年です。
その小さくて人類に大きな一歩となった画期的な出来事がクリエイティブな方法でお祝いされようとしています。
米アイオワ州にあるノーザンアイオワ大学で上演に向けて準備がされている「To Touch the Moon」は発達障害の若者の冒険心を育むドラマと科学の融合です。
月への旅行を追体験し、科学、技術、工学、数学などに関わる好奇心を刺激します。
グレッタ・バーガンマーが演技の指導をしています。
グレッタはアイオワ州で発達障害児への教育で優秀賞を受賞しています。
発達障害である自閉症スペクトラム障害は、社会的なスキル、反復的な行動、コミュンケーションなどに問題をかかえます。
他の人が何を考えているのかを認識することが難しいこともよくあります。
そして、言葉や身振り、表情などを通じて自らについて伝えることが困難です。
米国疾病管理予防センターによれば、アメリカでは59人に一人の子どもが自閉症スペクトラム障害と診断をされています。
グレッタは、人の真似をしたり、社会的な交流や言葉を使わないコミュニケーションの体験を「To Touch the Moon」に取り入れています。
「私たちは検討を重ねました。
私はこれまでの研究のアイデアを参考に、20人の大学生と一緒に3つのエピソード作っています。」
エピソードは、創造の神話、月の物語、NASAの研究所からなります。
現代から始まり、1969年にまでさかのぼります。
「それぞれにきちんとした台本やストーリーがあるわけではありません。
それぞれのエピソードで、考えられたイベントが行われていきます。
観客というより、参加してもらいます。
それぞれのエピソードでの方向性にあわせて、参加者に行動してもらい、それに応えていきます。」
ただ、観ているだけでなく、参加し行動してもらう没入型体験の演劇です。
「To Touch the Moon」では、月面への降下など、警告警報付きのイベントや活動が数多くあります。
月の岩石を選択し、できるだけ正確に重みを推定する。
手袋、ブーツ、ヘルメットで月の周りを動き回る。問題を見つける。
そして、月の世界がどのように見えるかを伝えるために手で信号を送る月面上の宇宙飛行士を演じる。
「月面をおどろきの場所にします。」
そうグレッタは言います。
ノーザンアイオワ大学のキャンパスなどで上演され、6歳から12歳までの100人の子どもたちが楽める予定です。
(出典・画像:米SPACE.COM)
みんなで参加して、月面を楽しめる参加型演劇。
サイエンスの楽しさもわかる、近くだったらぜひ参加してみたい取り組みです。
大学生と知的障害の人たちが演劇を通じて友情を築く。新言語療法
(チャーリー)