- 表情を適切に作ることが困難なのはなぜか?
- 自閉症の人が他者の表情を理解できない理由は何か?
- 自閉症の人の表情に関する研究が少ない理由は何か?
表情は人とのやりとりを円滑にします。
これまでの39の研究によれば、発達障害である自閉症の人たちは適切なときに適切な表情を作ることが困難です。
無表情のままでいたり、不思議な表情をしています。
この問題についてはまだ研究が足りません。
発達障害の人が他の人の表情を理解できない困難についての研究に比べて、研究が少ないのです。
カナダのサイモンフレーザー大学のエリーナ・バーミンガム准教授は、適切な表情を見せることができることは、相手の表情を理解するのと同じくらい社会的な相互作用には重要だといいます。
「対面してのコミュニケーションは、双方向なのです。」
バーミンガム准教授の研究によれば、自閉症の人たちは指示された表情を作るのに比べて、自発的に表情を見せるのが難しいことが示唆されています。
それはつまり、教育や訓練のような表情を作らせようとする場面では、この問題が認識されにくいのです。
バーミンガム准教授たちは、1981年から2017年までに発表されている、人数を合計すると、自閉症の人684人とそうでない674人になる研究について分析しました。
これらの研究は、表情の区分や表情の測定方法はまちまちです。
そのために、表情の測定方法などにより7つのカテゴリにこれらの研究を分類しました。
そうして分析した結果、それは自閉症の人たちはそうでない人たちにくらべて表情を見せることが少ないという考えを支持するものでした。
「自閉症の人たちは表情を見せる機会が多くありません。
また、無意識レベルで相手のまねをしたり、表現をまねて社会的な交流を円滑にすることも多くありません。
そして、相手には奇妙に感じる、理解が難しい表情をしていることが多くありました。
しかし、自閉症の人もそうでない人と同じくらいの表現力で笑ったり、怒ったりします。
そして、強いにおいのような刺激には、同じ速さでしかめっ面もします。
自閉症の人の年齢が高くなるほど、そうでない人との表情についての差は小さくなっていました。
また、IQが正常範囲内の自閉症の人はそうでない自閉症の人よりも、自閉症でない人との差はさらに小さくなっていました。
「年齢が上がり、知的機能が高まるにつれて、自閉症の人は表情を意識して作ることができるようになります。」
そう、バーミンガム准教授は言います。
今後、バーミンガム准教授は、自閉症の人が特別に大好きなことやおもちゃについて話すときに、より表情を見せることがあるかについて今後研究したいと考えています。
もし、そうであれば自閉症の人が、自然に表情を見せる機会を多くすることができるかもしれません。
うちの子は重度の発達障害で知的障害です。話すこともできません。
何を考えているのかわからないことが、親であっても多くあります。
わからない。
そう思うときの理由はお話ができないことだけでなく、表情からもわからないのです。
うちの子の気持ちをもっとわかるようになりたいと願っています。
困っているときに、それがわかってやれないことをなくしたいのです。
こうした研究やテクノロジーの発展には強く期待しています。
言葉を話すことができない発達障害の子の内面を知るセンサー技術
(チャーリー)