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発達障害の人の不安状態を伝える装置が家族の生活も向上させる

time 2018/12/28

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

発達障害の人の不安状態を伝える装置が家族の生活も向上させる
  • 発達障害のある子どもがパニック状態になる前に予測することは可能ですか?
  • ウェアラブルデバイスは発達障害の子どもの不安やパニックをどのように検出しますか?
  • この技術は本当に発達障害を持つ子どもやその家族の生活を助けることができますか?

発達障害で話すこともできない17歳のイーサン・ダチスは、ウェアラブル技術が発達障害の子と家族にどう役に立つのか、その研究調査に参加しています。
この秋から始まった3年間の調査では、米国メイン州、ロードアイランド州、ペンシルバニア州の200人の子どもとその家族が参加しています。
この研究調査の目的は、技術によって発達障害の人の危険な状態を予測し、介助をしている看護師や保護者にそれを警告し伝えることができるかを確認することです。
警告することができれば、発達障害の子どものパニック状態や自傷行為などを防ぐことができます。
メイン州保健省により、2017年に行われた20人の発達障害の子が参加した予備調査では、子どもが60秒以内に危険な状態になることを、74%の精度で予測できたことを確認出来ています。
メイン州保健省の発達障害担当部長のマシュー・シーゲル博士はこう言います。
「私たちは、生理的信号を測定することによる客観的な評価で予測しようとしています。
これが、うまくいけば発達障害の子の親や介助者にとってとても有益なツールになるはずです。
より精度を上げるためには、まだ研究調査が必要なのです。」
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利用するデバイスは、心拍数、血圧、体の動き、発汗について常に測定します。
これらの測定データから発達障害の人の不安状態を検出し、介助する人に伝えます。
「緑」は順調、「黄」は警告、「赤」はパニック状態であることを示します。
話すことができない発達障害、重度の自閉症スペクトラム障害であるイーサンのような子どもにとっては、いつでもそれを身につけ利用できることも重要です。
イーサンの両親、エレンとカートはこのウェアラブルデバイスが、発達障害の子と家族の生活を劇的に変えてくれる可能性があると語ります。
イーサンがパニックになりそうなことが1分前にわかることで、深呼吸をさせたり、まわりを暗くしたり、好きなものに気持ちをそらしたりすることで、パニックになるのを防ぐことができているといいます。
「イーサンは突然、パニックになってしまうのです。
私たちに乱暴になったり、自傷を行ってしまいます。
いつも自分の感情に苦労をしていました。
私たちもイーサンの感情がわかりませんでした。
ずっと不安で、自分の殻に閉じこもっています。
私たちが、イーサンを緑から黄に変える原因となるもの、黄から赤に変える原因となるものを知ることができれば、
それはイーサンと私たちにとって本当に役に立ちます。」
そう母親のエレンは言います。
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発達障害の子どもたちが不安になると、すべての人と同じように「戦うか逃げるか」の反応をする。しかし、発達障害の子どもたちには、それに対処する方法がわからないためにパニックになってしまうとシーゲル博士は言います。
またシーゲル博士によれば、介助者が行えることは受け身のことであり、役に立つことがもちろんあるものの、発達障害の本人や家族の生活の質の向上につながらないことが多いといいます。
「例えば、パニックを起こす回数が週に20回から10回に減っても、その10回がいつ起こるのかわからなければ、家族の生活が大きく変わることはありません。」
パニックがいつ起こるのかわからなければ、家族は映画を見に行ったり、買い物に行くようなことは難しいまま変わらないのです。
この研究調査には、米ブラウン大学と米ノースイースタン大学も協力しています。
ノースイースタン大学の健康科学の準教授、マシュー・グッドウィンは米マサチューセッツ工科大学で7年間、人間の複雑な生理学的な変化を検出できるウェアラブル装置の研究を行っていました。
グッドウィン准教授はこう言います。
「シーゲル博士も私も、20年前から同じ結論でした。
発達障害の子どもたちは、決して悪い子どもたちではなく、かかえている不安に対する適切な対応方法がわからないというだけです。
それに役立つ技術を作るのに、ここまで20年かかりました。」
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今後も、パニック状態についての誤った予測などを減らすことなど、取り組むべき課題は多くあるといいます。
「私たちは、この装置をオオカミ少年にしたくないのです。
誤った予測を人に伝えることはなくさなければなりません。」
また、この装置が高機能自閉症スペクトラム障害の人の場合においては、うまく役立つかはまだわからないといいます。
「パニックを起こすことが重度の人に比べて、極めて少ない人の場合には、これまでの検出、予測方法でうまくいくかはわかりません。」
ウェアラブル技術が、遠くない将来、発達障害の人と家族にとって実用的な助けになる可能性があるものの、それがいつになるのかはまだわからないとグッドウィン准教授は語りました。
(出典・画像:米Press Herald
うちの子は急に暴れだしたり、自傷行為などはないのは幸いですが、急に泣き出したりすることがあります。
話すことができないので、なにか悲しいのか、どこか痛いのか、いつもわかってあげることができなく申し訳なくなります。
なので、こうした言葉や表現する手段がなくても、心の内面を伝えてくれるデバイスがあれば本当に助けられます。
知的障害の人がかかえる絶望感をまわりはわかっていないのかも

(チャーリー)


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