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男と女の脳の違い。自閉症の人は極端男性脳という大規模研究

time 2018/11/20

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男と女の脳の違い。自閉症の人は極端男性脳という大規模研究
  • 性別による脳の働きの違いについて、どのような結果が得られたのか?
  • 自閉症の人たちの脳の働きに関する研究で、どのような発見があったのか?
  • 共感する能力と体系化して考える能力の差について、どのような関係が明らかにされたのか?

英ケンブリッジ大学の研究チームは、性別の違いや発達障害の自閉症の特質に関しての、これまでで世界最大規模の研究を行いました。
この研究により、人の心の理解に関する脳の働き、計算や論理的な思考に関する脳の働きについてのES理論による男女の違いと、自閉症に対する極端男性脳理論の確認ができました。
テレビ制作会社のチャンネル4の協力で、36000名を超える自閉症の人を含んだ、50万人を超える人たちがこの研究に参加協力しました。この研究結果は “the Proceedings of the National Academy of Sciences” に掲載されています。
「ES理論」”Empathising-Systemising theory” によれば、平均的に女性は他の人が考えていることや感じていることがよくわかり、適切な感情をもって対応する能力が男性より高いと考えられます。
一方で、平均的には男性は、分析することや考えを組み立てることなどの能力が高いと考えられます。
「極端男性脳理論」 “the Extreme Male Brain theory” は、自閉症の人は平均して、人の考えていることを理解したり共感することは得意ではなく、男性的な分析や推論の能力については、平均的か優れているとするものです。
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今回の研究では、36,648人の自閉症の人を含めた671,606人が研究に参加しました。
参加した人たちは、共感、体系化して考える能力、そして自閉症の特質にかかわる簡単な10の項目について答え、研究チームにより評価されました。
その結果、
女性は平均して人に共感する能力が男性よりも高く、男性は体系化して考える能力、自閉症の特質に関わることが高くなっていました。
このような男女の違いは、自閉症の人たちの中ではそれほど大きいものではありませんでした。
そして、自閉症の人たち全体の平均をみると、男性的なものになっていました。
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つまり、自閉症の人たちはそうでない人たちに比べて、体系化して考える能力や自閉症の特質に関わることが高く、人に共感する能力は低いものとなっていました。
研究チームでは、それぞれの人について共感する能力と体系化して考える能力の差についても調べました。
この差が大きいほど、体系化して考える能力が共感する能力より高いことになります。
自閉症でない人たちについては、男性はこの差が大きく、女性は小さくなっていました。
自閉症の人については、自閉症でない男性の差よりも、さらに大きな差となっていました。
共感する能力と体系化して考える能力の差の大きさは、性別の違いよりも自閉症特質による違いのほうが19倍以上も大きくなっていました。
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男性は平均して、自閉症の特質が大きく見られました。
そして、STEM(科学、技術、工学、数学)の仕事をしている人は平均すると、そうでない仕事をしている人に比べて、体系化して考える能力、自閉症の特質が高くなっていました。
逆に、STEMでない仕事をしている人は平均すると、共感する能力が高くなっていました。
この研究について、研究者はこれらの結果は、個人に適用できるものではなく、あくまでグループ化して平均として捉えたものであることに注意してほしいといいます。
性別や自閉症の診断、職業によって、特定の個人がそういう人であると決めつけられるものではないと念を押しています。
男女という性別、共感能力と体系化して考える能力、この2軸でだけ違いを示した研究結果であり、それ以上のものではないことも述べています。
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そして研究者は、自閉症の人は、他の人の思考や感情を認識する「認知」共感が得意ではないものの、相手を心配するような「感情的」共感については、そうでなく、次のように伝えています。
自閉症の人たちが、共感することのすべてが苦手だと考えるのは間違いです。それは真実ではありません。
研究を行った英ケンブリッジ大学のバラン・ウォリア博士はこのように言います。
「自閉症でない人たちの間での男女による違いは、とても明確に現れました。
私たちはこれまでの関連する研究から、共感能力、体系化して考える能力について差が現れるのは、遺伝、出生前のホルモン分泌、そして環境や経験、それらの理由が混ざりあったものだとわかっています。
今後の研究では、それらの理由の影響度合いやそれらの理由の相互関係を調べていきたいと考えています。」
同大学のデイビッド・グリーンバーグ博士はこう言います。
「再現可能で、確かな結論を導くには、大規模なデータが求められます。
今回は、テレビのようなメディアと協力することで、それができることを示せました。」
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同大学のキャリー・アリソン博士はこう言います。
「この研究に参加して頂いた多くの一般の人たち、そして自閉症の人たちに感謝を申し上げます。
今後、この研究結果を教育や適切な支援に生かさなければなりません。」
英ケンブリッジ大学の自閉症研究センターのディレクター、サイモン・バロンコーヘン教授が、約20年前にこのES理論と極端男性脳理論を提唱しました。
「今回の研究は、この二つの理論を協力に支持するものです。
そして、この研究では自閉症の人たちが、ニューロダイバーシティの中で、活躍できる領域を示しています。
体系化して考えることがひじょうに得意なのです。
ものごとのしくみを理解するのに、優れた特性があるのです。
そうした、彼らの能力が発揮できるように、社会的な利益になるようにしなければなりません。」
(出典:英ケンブリッジ大学)(画像:Pixabay
女性は相手のことをよく理解できて、上手に対応ができる。男性は分析したり論理的に考えることが得意。
(「話を聞かない男、地図が読めない女」なんていう本を昔読んだことを思い出します。)
そして、発達障害である自閉症の人は男性女性を問わず、脳はより男性っぽい。
英ケンブリッジ大学での67万人以上を対象にした研究でそれらが明らかになった。ということです。
自閉症についての「極端男性脳理論」はもう時代遅れの古い考えなのかと思っていましたが、今回の研究でそうとはいえないことを知りました。
自閉症、発達障害そうした人たちの理解が進む科学的な研究が行われていくことは本当にうれしく思います。
そうした人たち、そしてみんなが過ごしやすくなっていくことに貢献されていくことを願います。

(チャーリー)


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