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発達障害による暴力的なパニック、病理学的要求回避(PDA)

time 2018/11/16

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

発達障害による暴力的なパニック、病理学的要求回避(PDA)
  • 病理学的要求回避(PDA)とは何か?
  • 要求回避が暴力的なパニックを引き起こす理由は?
  • 発達障害やPDAを持つ子供や家族が適切なサポートを受けるにはどうすればいいか?

ジェイミーは泣いている母親にパンチをし、つばをはきかけます。
7歳のジェイミーは、病理学的要求回避(PDA)と呼ばれている発達障害の一つの症状をもっています。
要求を何時間も続けて、暴力的なパニックを起こしてしまうことがあります。
自分が何をしているのかわからないまま、そうなってしまっていることもあります。
「僕は、すごくすごく怒って、物を壊したりしてしまいます。」
ジェイミーの母親のケイトはこれまでに家が壊され、ナイフで刺されそうになったこともあったとジェイミーの暴力について語ります。
「ふだんは一緒にいて楽しく過ごしています。
なので、こんなふうにジェイミーが暴力を起こすことは信じられないことのようにも思います。
私が特に心配しているのは、ジェイミー自身にとっても、それはとても危険なことです。
ジェイミーは自分でもコントロールができないんです。」
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病理学的要求回避(PDA)については、広く認識されているという現状ではないでしょう。
そのために、ジェイミーのような子は発達障害としてサポートをされていないことが多くあります。
ジェイミーは、注意欠陥多動性障害(ADHD)もかかえています。
3歳の頃から暴力的になることが現れ、PDAと診断をされたのは6歳のときでした。
正式に診断されるまでの間、シングルマザーのケイトには多額の負担がかかりました。
「息子のジェイミーが、もっと重度の発達障害であれば、早くサポートを受けられたと思います。」
英国保健省によれば、イギリスには70万人の発達障害の人がいます。ジェイミーはその一人になります。
地域にあるかかりつけの病院が、発達障害の診断に関わる最初の接点になるでしょう。
しかしイギリスにおいては、地方によって、そのための費用が多額になります。
心臓病、がん、糖尿病、うつ病などについてはそのようなことはありません。
英国PDA協会による1200人の親を対象とした調査では、80%の子どもに問題と思われる行動があったことが報告されています。しかし、暴力にまでいたることは多くはありません。
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バックリー博士によれば、早期療育が重要だといいます。
9歳のときに問題行動を示した人は、それが19歳〜29歳になるまで続くことが示唆されているからです。
英国のガイドラインでは、発達障害が疑われたときには3ヶ月以内には診断を受けるべきだとしています。
しかし、英国自閉症協会では「何ヶ月も、ときには何年も待っている人がいる」という実態を伝えています。
10歳のカーニーは、自閉症、PDA、多発性不安障害、うつ病と診断をされています。
PDAをかかえる他の子と同様に、カーニーも家族も難しい状況にあります。
カーニーはコミュニケーションに困難を抱えています。
うまくいかずに不満な気持ちになると、家庭は暴力と混乱の場となります。
カーニーの暴力があまりにひどく、家族が警察を呼ばなければならなかったこともあります。
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カーニーはこう言います。
「お母さんを傷つけると、私も本当につらくなります。お母さんを傷つけたくないんです。
お母さんにケガをさせることを考えると、私も恐ろしくなります。」
カーニーは正しいサポートがあれば、暴力を起こしてしまうことはやめられるはずだと期待しています。
「そうでなければ、私はいつか警察に逮捕されるはずです。
そんなふうになりたくないんです。
家族とずっと一緒にいたい。幸せでいたいんです。」
英国保健省の報道官は、子どもたち向けの精神保健サービスの充実により新たに7万人の子どもたちがサポートを受けることができるようになるため、そうした問題も大きく改善されるはずだと述べています。
(出典・画像:英BBC
外部に助けを求めることをためらってしまう家族も少なくないのではないかと察します。
うちの子にはそういうことがなく、本当に幸いなことだと思っています。
自傷や他害をしてしまう場合には辛く、怖く、終わりが見えないとてもむずかしい状況だと思います。
申し上げられる言葉が見つかりません。
ありきたりですが、どうか家族だけで抱えずに学校、保健所、児童相談所、福祉課、医療機関などにまず相談をと思います。
ジキルとハイドになる子、発達障害に伴う病的要求回避(PDA)

(チャーリー)


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