- 発達障害の人たちにとって、治療や"治すこと"は必要なのか?
- 発達障害を持つ人たちが、自分たちの違いを受け入れることができるのか?
- ワクチンと発達障害の関連性についてどう考えるべきか?
発達障害を病気のようにとらえ、治そうと考える人がいます。
しかし、発達障害の人にとってみれば、必ずしも治してほしいと思っているものではないかもしれません。
私は、発達障害のハッシュタグを見つけたので、自分と同じような発達障害の人がどんなことをツイートしているのかを探しました。
私は自分の他に、発達障害の人に会ったことがありませんでした。
なので、Twitterはそうした人たちとの交流できる機会になりました。
私にとってはとても楽しいものでした。
自分の人生についても話しました。自分の発達障害に対する不満も打ち明けました。
会って友だちになった人もいました。
私の人生は明るくなりました。他の世界にも目を向けられるようになってきました。
しかし、Twitterで問題に思うことを目にすることもありました。
これまで私はかかわらないようにしてきました。
イギリスの医学雑誌に発表された研究「ワクチン接種と発達障害」というエセ科学の話です。
この研究では、ワクチン接種と発達障害との関連性を報告し、麻しんや風しんなどに対するMMRワクチンが子どもの発達障害を引き起こしたと述べています。
しかし、この報告にはたくさんの問題があります。
たった12人の子どもしか対象としていなく、この研究を発表したアンドリュー・ウェイクフィールドも現在ではまったく信用されていません。
その後のウェイクフィールドの数百人の子どもを対象とした研究でも、その証拠が捏造されていたことが明らかになっています。
ウェイクフィールドは既に、医師免許を剥奪され研究所の席も失っています。
その他にも、不正行為や倫理に反する行動をしていたことが判明したためです。
子どもたちに不必要な、肉体を傷つける検査も行っていました。
しかし、ウェイクフィールドの「ワクチン接種が発達障害の原因」という考えは、世界中に広まり、そのためにたくさんの子どもたちが命を失っています。
世界中でワクチンの接種率が急激に低下したのです。
世界保健機関(WHO)によれば、麻しんにかかったのは2016年には5237件であったのに、2017年には23927件と大幅に増加しています。
イタリア、ウクライナ、ルーマニアなどでは特に接種率が低くなっています。
ドイツやフランスのような国でも、数百人が亡くなっています。
そして、麻しんや風しんは命を奪われなかったとしても、深刻な合併症が残ります。
失明、難聴、脳障害です。
そして深刻になる人の多くは子どもです。
こうした現状があるにもかかわらず、まだ「ワクチン接種が発達障害の原因」だと信じている人がいます。
そして、ワクチン接種に反対をしています。
私は怒りを感じています。
嘘をつく人たちが、情報にうとい親たちに影響を与え、子どもたちの命を危険にしているのです。
私は本当に怒りでいっぱいになります。
そして、嘘をつく人たち、情報にうとい親たちが、発達障害とはひどい病気の一つであり治せる、治す必要があるもののように考え、運動しています。
私は発達障害です。他の人とは違っていますが、これは病気ではありません。
こうした考え、運動を私は怖く思います。
それは、1930〜40年代、ドイツで優生学思想に従ってたくさんの精神障害の人が殺されたのと同じような方向だと思うからです。
私のような発達障害の人たちが、新たな考えで差別されてしまうのではないかと感じるのです。
発達障害はひどいものではありません。
困難はあります。
しかしたとえ、ワクチン接種が発達障害の原因であるという嘘を信じたとしても、
麻しんや風しんになるよりも、ワクチン接種をして発達障害になるほうがいいと私は思っています。
私は、自分のような発達障害の人たちを守らなければならないと本当に感じています。
差別されることがなければ、発達障害は私には負担ではありません。
誤った考えが、人間の命を奪っています。
そして、発達障害は病気のようには治せないし、治す必要もないということを知ってほしいと思います。
(出典:英blastingnews)(画像:Pixabay)
発達障害を病気のように扱い「治す」とするものは、疑うべきです。
健康や生命に関わることは、きちんとした医療にのみ頼るべきです。
そして、そもそも「治す」ことなんて求めない方もこうしていらっしゃいます。
発達障害は病気ではありません。
病気のように考え治そうとするよりも、受け入れて、困難や負担が減るように成長していくことを手伝っていく。
そう思って、私は発達障害のうちの子と過ごしています。
(チャーリー)